2019年4月  №141号 通巻826号
 

「キリスト教百話」

問24 キリストの再臨ということが言われていますが、それはどういうことですか。最後の審判あるとも聞いていますが・・・。

答・・2・・

  歴史上では、キリストの再臨がすぐにでも起こるように言った人や、それを信じた人たちがいました。大分前のことですが、一通の葉書が送られてきまして「来年の夏ごろには富士山が爆発して世の終わりとなるからご用心ください」という知らせが書いてありました。実際には何事も起こりませんでしたが、そういうことより、むしろ最近の世相や国際情勢には、「このまま行けば世も終わりとなるのではないか」と危ぶまれるものがあるように思います。

 日本でも、「末法時代の到来か」と言われた時がありました。平安末期の戦火、戦乱によって明日が望めなくなったからです。「世も終わりか」と思われるような時はあるものです。しかし、わたしたち人間の思いと、わたしたちを超えたところにある神様の思いとが一致するわけではありません。

キリスト教には「歴史を支配される神」という神様に対する信仰があります。ここで少し歴史というものについての理解の仕方について触れてみたいと思いますが、先ずは「世界の動きというものはその時々の人間の営みの所産であって、その中に特にこれと言った何かの意思が働いているのではない」という考えがあるように思います。過去と・現在・未来というものが直線的に無目的に移行しているという考え方です。

次に「歴史は繰り返す」と言われます。また「永却回帰」という思想もあります。「昔あったことは今もこれからも同じように繰り返される人間の営みはそのようなものだ」ということになりましょうか。

但し、変化しつつ進んでいるのが、との理解もあります。この三つの理解の仕方はそれぞれ説得性を持っているように思います。そして、それは、無目的的であるという点で共通しています。

これに対して、聖書の見方は「歴史は神の支配の展開である」という点において、人間を超えた超越的主体によって、目的的に進められている、という理解に立っているのでありまして、これは神の存在を前提とし、神を世界そのものの歩みが主であると信じている信仰によっての理解であります。

それは、聖書の冒頭に「初めに、神は天と地を創造された」(創世記1:1)と記されていることに明らかなように、この地上の歴史というものは、神によって始められたものであるという理解であります。理屈から言えば「その初めのことを書けるのは、その初めに立ち会った人でなくてはなるまい。しかし人間は神のよる創造の最後に造られたものであるというのであれば、初めを見た人はいないのであるから、聖書の話は作り話に過ぎない」と言うことになります。

まことにその通りでありまして、「見てきたような嘘を書くな」という主張の一面性を否定はしません。が、それは小説の真実性が虚構を用いて表されていることを理解されるなら納得できるように、聖書の表現形式と言うものも、信仰に拠って理解している真実を表現しているものとして受け止めるところから、歴史とその中に生きる人間の生き方が決まってくると思っています。

             篠田 潔

 (日本基督教団隠退教師・

     元「キリストへの時間」協力委員・ラジオ説教者)

    <20192月のラジオ放送予定> 

2月 3日 落合健仁 (金城学院大学文学部宗教主事)

  10日 落合健仁 (金城学院大学文学部宗教主事)

  17日 吉松 純 (金城学院大学人間科学部宗教主事)

  24日 吉松 純 (金城学院大学人間科学部宗教主事)

      (放送開始195210月)

 (CBCラジオ「キリストへの時間」(1053KHZ)

 

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