忍者ブログ
2023年7月号  №193 号 通巻877号
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 

第92課 キリスト者生活の実践的義務

=12:1~15:13=・・・48・・・

G キリストの非利己的な態度を見習うことが、すべてのキリスト者の義務である。・・・15:1~13・・・1・・・

 

 15章の最初の部分において、パウロが前章において教えた教理を、適切な理論によって確証して行く。15章は少しの区切りもなく、14章の議論を継続している。

 

 「わたしたち強い者は、強くない者の弱さをになうべきであって、自分だけを喜ばせることをしてはならない」(151)。

 この説は14章の議論の要約ともいうべきものである。ある種の食物を食べることが良いか悪いかということについての疑いや躊躇によって、煩わされない強いキリスト者たちは正しい。

これに対して、煩わされている弱いキリスト者たちに与える影響を無視して自分の思うままに行動しても良いということを意味することでは決してない。食物の合法性ということに関する限りにおいては、強いキリスト者は何でも好む物を食べる権利を持っている。しかし、弱いキリスト者に与える悪い結果を考慮しないで、その権利を行使することは利己的であって、キリスト者の愛の義務を無視することになるのである。

 

 従って、強いキリスト者は「強くない者の弱さを担うべきであって」、自らから好むところを自己中心に主張して、行動すべきではない。すなわち、キリスト者の自己否定を要請される。そしてそれが要請されるならば、自ら進んで、また喜んでそれに応じるべきである。

 ある人が、そのキリスト者の兄弟たちに対する態度において誤っているのであれば、彼が食物についての問題において、たとい正しくあろうとも、何の益になろうか。弱い兄弟たちの霊的な福祉に較べるならば、ある食物を食べるという自由などは、色褪せた無意味なものなのである。

 

 しかし、このロマ書のこの部分を通じてわかるように、次のことをよく覚えておかねばなない。その考えには弱点があり欠点があるのである。すなわち、そのような考えは、彼らがキリスト教の原理を不完全にしか把握していないことから来ているのである。

 悲劇的であるのは、彼ら弱い信者が、しばしば彼らの弱点を、反対に強い点だと見てしまうことである。彼らがそれを宗教的な原理の問題だと決め込んで、それを堅持するばかりか、彼らの考えを全教会に強制しようと試みるのである。道徳的には全く問題でない事柄について迷っていない強い信者の上にも、強制しようとするのである。

 私たちはここで83課の文章を再度引用してみよう。14章でパウロは、儀式律法に従わなくてはならないと考えている人々は、教会の中においては例外と見ているのである。彼はそのような弱い兄弟たちには、愛と同情と忍耐とをもって、接しなくてはならないと説いているのである。しかし、同時に、これらの兄弟たちの考えは間違っているのであり、彼らが信仰において弱いことから来ているということを明らかにしている。弱い兄弟たちの考えが間違っているのであるから、それらの考えは教会全体の上に課せられる規則や信条とされてはならないのである。

    J・G・ヴォス著   

    玉木 鎮訳(日本キリスト改革派教会引退教師)

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
ブログ内検索
カウンター
★ごあんない★
毎月第一日更新
お便り・ご感想はこちらへ
お便り・ご感想くださる方は下記のメールフォームか住所へお願いいたします。お便りは「つのぶえジャーナル」の管理人のみ閲覧になっています。*印は必須です。入力ください。
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207
緑を大切に!
お気持ち一つで!
守ろう自然、育てよう支援の輪を!
書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

b997b4d0.jpg
 









「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
 a0528a6b.jpg









「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

0eb70a0b.jpg








さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

Copyright © [   つのぶえジャーナル ] All rights reserved.
Special Template : シンプルなブログテンプレートなら - Design up blog
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]