忍者ブログ
2023年7月号  №193 号 通巻877号
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

『旧・新約婦人物語』(46)

プリスキラ(プリスカ)
 =使徒行伝18・2,26==ローマ16・3=

 夫婦がクリスチャンであると言われる家庭の少ない日本では、パウロとともに働きました同労者のプリスキラとアクラのお話などは、珍しく目立ったケースで、学ぶところが多く、教訓に富んでいると存じます。
 使徒行伝18章2節以下を読みますと、アクラとプリスキラ夫婦はユダヤ人でありました。彼らは小アジアのポント生まれで、ローマに住んでいたのです。そこで商売に励んでいたのですが、紀元50年、クラウデオ帝によるユダヤ人追放令にあい、彼らはローマを追われてギリシャのコリントに移り住むようになりました。ちょうどこの頃、ギリシャ伝道の途中にあった使徒パウロもこのコリントの町にやって来たのです。パウロはアクラとプリスキラ夫婦の家庭を訪ねます。幸いなことに、彼らは天幕造り同志という、同業者でした。それで、パウロは彼らの家庭に共に住ませていただき、共に天幕を造り、安息日毎に会堂で熱心に伝道に励んだのであります。
 私が想像いたしますのに、アクラとプリスキラとは、パウロのこのときの説教に心打たれまして、キリストによる救いに全く入れられたと存じます。しばらくして、パウロはコリントを去り、小アジアのエペソへ行きました。この時、アクラとプリスキラとは、パウロに同行していました。その後、パウロはまたアンテオケに帰りましたが、アクラとプリスキラの夫婦はエペソに居残り、一生懸命に十字架の福音・キリストによる救いの道を伝道いたしました。
 1c8af305.jpeg彼らの伝道方法は、いろいろあったと思いますが、その一つの方法は家庭での集会でありました。コリント人への手紙の第一・16章19節をご覧下さい。「・・・。アクラとプリスカ(プリスキラ)とその家の教会から、主にあって心からよろしく」とあります。この言葉によって、パウロがコリントの三人のクリスチャンに、挨拶を送っております。この「・・・家の教会」という言葉が、大切なキーポイントで、何と親しみのあるあたたかい言葉ではありませんか。商売人であったこの二人は、何時も、自分たちの家庭を教会の集まりに開放していたことは、実に尊いクリスチャンの奉仕であったと思います。
 最近、日本の多くのクリスチャンたちも、彼らと同じように、自分の家庭を開放し、神様のみ栄えのために提供しておられます事実を多く見聞きいたしまして、非常に嬉しく思います。そのような家庭こそ、暗黒の世の中に輝く灯火であると存じます。
 使徒パウロがアンテオケへ帰ってきてからのある日、アポロという使徒がエペソへやってまいりました。彼は会堂で大胆にキリストのことを語り始めのです。しかし、彼はただヨハネのバプテスマしか知っていなかったのです(使徒18・25)。そのことを知りましたアクラとプリスキラは、アポロを自分に家に招き、さらに詳しく神様のみ言葉と、十字架の道を解き聞かせました。やがてアポロがアカヤにわたりたいと申しました時、彼らはアポロを励まし、アカヤのクリスチャンに親切に迎えるようにと手紙を持たせてやりました。
 アクラとプリスキラ夫婦のまことに親切な態度に、わたしたちは心打たれます。アポロの間違ったところを、彼らは遠慮なく、しかし注意深く祈りをもって彼を正しきに導き、彼を励まし、正しい信仰と確信に立たせ、彼を生き生きとした者にしたことと思われます。その後、アポロがクリスチャンの方たちの中で、大きな力となられたことは、アクラとプリスキラの導き、彼らの力の結果であったと言っても、間違いではないでしょう。
 新約聖書に登場いたします、アクラとプリスキラのクリスチャン夫婦の記事は、以上のことだけであります。しかしその中に、彼らの人格が十分に表わされ、表現されております。しかし今一つ見逃してはならないことがあります。
 ローマ人への手紙16章4節をご覧下さい。パウロはここで、「彼ら(アクラとプリスキラ)は、わたしたちのいのちを救うために、自分の首をさえ差し出してくれたのである」と、感激の言葉を記しております。同時に、どんなところで、アクラとプリスキラとが、パウロのために自分たちのいのちをも捨てようとしたのでしょうか。それは分かりませんが、パウロはそのことを決して忘れたりなどはいたしませんでした。
 「人がその友のために自分のいのちを捨てること、これよりも大きな愛はない」(ヨハネ15・13)と、イエス様のお言葉にもございます。プリスキラは本当に、幸せな婦人ありました。主人のアクラも、彼女と同じ信仰を持っていて、彼女は主人と共に、一緒に神様のみ国のために奉仕することが出来ました。このことは、彼女の大きな喜びでもあり、また彼女の生涯の神様から託された使命でもありました。
 プリスキラは、主人のアクラよりも前に出ることはせず、何時も、主人の陰になり、日なたになって、主人を助け、協力し、神様のみ国のために熱心に励み、前進して行ったクリスチャン婦人でありました。このアクラとプリスキラ夫婦こそは、わたしたちに理想的なクリスチャン夫婦の良き模範を残して下さったと言えましょう。
 
 ポーリン・マカルピン著
(つのぶえ社出版)この文章の掲載は「つのぶえ社」の許可を得ております。尚、本の在庫はありません。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
ブログ内検索
カウンター
★ごあんない★
毎月第一日更新
お便り・ご感想はこちらへ
お便り・ご感想くださる方は下記のメールフォームか住所へお願いいたします。お便りは「つのぶえジャーナル」の管理人のみ閲覧になっています。*印は必須です。入力ください。
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207
緑を大切に!
お気持ち一つで!
守ろう自然、育てよう支援の輪を!
書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

b997b4d0.jpg
 









「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
 a0528a6b.jpg









「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

0eb70a0b.jpg








さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

Copyright © [   つのぶえジャーナル ] All rights reserved.
Special Template : シンプルなブログテンプレートなら - Design up blog
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]