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世田谷通信
(120)
猫 草
お店に入って自分が客の立場になったときに、店内のサービスが良いと気持ちがいいものだ。飲食店ならフロアから厨房にスムーズに意思が伝わっているか。良い関係があればそれはとても快いサービスとなる。そこに何かひずみがあると、不協和音として空間を不快なものにしてしまう。それは会社や学校や行政や、とにかく人が係る以上は同じだと思う。目の前の「お客様」と「自分の仕事」にどれだけ集中できるか。ひとつのパーツを担当する人たちがそれぞれ矜持を持ってことに当たれるか。
少し前だが、アルバイト中に投稿した写真が社会問題になっていた。いずれも不衛生、不謹慎、調子に乗った悪ふざけの域を出ないものだが、店の側への影響は大きかった。さらに不思議なのは続々と模倣する人がいたことだ。勤務中って仕事モードスイッチ入りませんかね。
友人のカフェの手伝いを、時々頼まれることがある。ランチタイムメニューはカレー等の簡単なものだし、お客さんも常連が多く、席数も少ないので、それほど忙しい訳ではない。それでも自分がフロアに居る間はずっと緊張する。店内だけでなく、自分の爪や髪も清潔に、ミスのないように。「ようこそ、いらっしゃいませ」と迎え「ありがとうございました」と送り出すのに全エネルギーが注がれる。できるだけ快適にお客様にはすごして欲しいと思う。キッチンに立つ友人もそう。お客様が居るときの彼女の料理の手際はまったく無駄なく、スピーディで的確。繊細で丁寧。美しい舞のようで惚れ惚れする。一期一会、という言葉が浮かぶ。私はその彼女の「皿」を大事に、素早くお客様のテーブルに届ける。「ごゆっくりお過ごしください」の気持ちをこめて。
きっとそういう経験はいろんな場面で役に立つと思う。何か仕事をするとき、人と接するとき、自分と周囲の間合いをとれるか。その場に適切な言葉や態度。ほんの少し、視点を上にもって空間全体を見渡すことができるか。アルバイトで学ぶことは多いと思う。投稿ネタ探しではない、社会と人間という複雑奇妙で不可思議なものを探すのにそれは役に立つ。
・添付のイラストは絵を描くのが大好きな次男がパソコンのペイントツールで描いたものです。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」