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世田谷通信
(123)
猫 草
トトトン、コココン、何かが壁をノックするような音がする。鳥かな?カカカッ、とこんどは天井から。室内だ、何だろう。カンカンッと電灯に当たるモノをみて納得する。蜂だ、どこからまぎれたものやら。部屋の電気を全部消して、リビングのカーテンと窓を全開にすると無事に冬蜂は室外へと帰還してくれた。元気でね~。
先日、カフェの手伝いをしているとき、お客様が「あのう・・」と遠慮がちに声をあげた。みると大きなキイロスズメバチが一匹窓にくっついている。なんと内側に。こりゃ危険とお客様を奥の席に誘導し、店内の電気を一度消した。明るい方に向かう走行性があるので、びっくりさせて電球に向かわないための用心だ。ガラス窓から差し込む陽が明るいので、そのままじっとして動く気配がない。
どうやら冬でだいぶ弱っている様子。とはいえスズメバチであることに変わりはない。さてどうやってお引取り願うか。飲食店で殺虫剤は使いたくないし、そもそも蜂用のがない。虫網は?あるわけないでしょう!と、悩んだ末にガラス瓶に入れて、捕獲することに。昆虫苦手の店長は腰が引けているので、しょーがないワタシがやりますか。
ガラスにくっついてるのにそっと接近し、素早く蜂にビンをかぶせる。ビンを窓に押し付けたまま、ガラスとビンの隙間にメニューの紙を滑らせてふたをする。そのまま外へ。しばらく店から離れて紙をはずすと、そのままどこかへ飛び去った。飛び立つ瞬間、目が合ったような気がする。いや気のせいかもしれないが。
そういえば、長男が昆虫少年だったころは、ああして、カマキリ、トノサマバッタ、カミキリ、コガネムシ、いろんなものを捕獲したものでした。出かけた先でも発見したら「捕まえるの!」と断固主張する長男のために、私のバッグには常に捕獲用の小さいビニール袋が入っていた。さすがに蜂をビニール袋で捕まえる勇気はないけれど、死角から一瞬で捕獲する感覚はちょっと懐かしかった。
店に戻ると、お客様と友人がほっとした顔で拍手してくれた。あの蜂はもっと、ほっとしていたと思う。
*この添付のイラストは絵を描くのが大好きな次男がパソコンのペイントツールで描いたものです。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」