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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 ビルマ

  戦犯者の獄中記  (37)  遠山良作 著

 

昭和22年

4月11日

­―ハンスト計画の失敗―(1)

 殴打された事件解決のために、「ハンスト」を行うべきであることを独房にいる12名の者に呼びかけた。少なくとも7名以上の者が賛成してくれるものと思っていたのに、賛成者は橋本さん一人のみであった。この棟には現在29名いるのに、僅か3名で「ハンスト」を行っても負けであることは火を見るより明らかである。残念ながらこの計画を断念するより致し仕方がない。信じていた友に裏切られた思いである。

 C君は運動の時に「遠山君よ。断食はどうしたよ」と問うた。

 私は「3名ではどうにもならないから、中止です」。

 C君「3名でやったらいいではないか」と言う。

 私たちは死ななければならないかも知れないと、真面目に考えているのに、余興でもやるような、人を馬鹿にした言葉に私は胸の血は逆流する思いである。その思いをぐっとこらえて、平静をよそおい、「いやだめだよ」とやっとひと言返事ができた。

 房に帰って、田室さんに憤りの言葉でそのことを話した。

 彼は「それで良いのだ。分からない者には百言を費やしても、理解できないからなあ」と言う。

 橋本さん宛てに次のことを書いて送った。

 「昨日計画しました「ハンスト」は完全に失敗いたしました。今まで信じていた友に裏切られたようで口惜しく思います。友なんていざという時には、当てにならないとの思いで、無念でなりません。しかし、この事件で貴兄という友を得たことで満足です。

 私は少なくとも7名位の同調者があれば「ハンスト」を実地すべきだと思っていたのに、貴兄は5名あれば決行すると言う。貴兄の意気込みには敬服します。

 今後貴兄が死を賭して闘争するという時は、私は必ず協力するでしょう。しかし他の人が行う時は決して協力しないでしょう。

 貴兄の刑は僅か3年です。後2年も辛抱すれば内地に帰ることが出来ます。貴兄の戦場は祖国日本です。祖国に帰って働いて下さい。私はそれのみ祈っております」。

 

この文章の転載はご子息の許可を得ております。

 

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書籍紹介
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 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
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東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

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 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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 「著者のことば」
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おすすめ本
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おすすめ本

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