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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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「あなたに聖書を」

「キリスト教百話」・・・19

問17 キリスト教でいう自由と一般的にいう自由とは違うように思いますがどうでしょうか。

答   自由というのは、何か拘束するものがあることが前提になっています。その拘束するものはさまざまですが、それが何であるにしても、人間が考えている領域においてのことです。これに対して、キリスト教の場合はイエス・キリストによって示された神との関係においてのことです。これはキリスト教に限りません。宗教が人間を超えたものとの関係で人間を問題にしている限り、どの宗教においてもことは同じです。

 アダムとエバの話はご存知でしょう。禁断の木の実を取って食べたのでエデンの園という楽園を追い出されてしまった、という話です。あの場合「園のどの木からでも取って食べてよろしいが、園の中央にある木からは取って食べてはならない」という命令が与えられたのは神様でした。神様がいらっしゃるということが前提としてあったのです。

 ところが、この二人は、その命令を無視し、この命令に背いて、禁断を犯しました。それは、神様に従うよりも、禁断の木の実を取って食べたいという欲望の方が勝ったからです。この自分たちの欲望が勝ったということで、これは実質的な神喪失です。神様の戒めとしてあったものを自分たちで破ってしまったのですから、自分たちで神様を無きに等しいものにしてしまったのです。

 こうして「失楽園」という事態になりました。「あらゆることをやってみたいし、出来たらいいがなあ」という思いは誰の中にもあります。そして、それが出来ることをあらゆることについての自由だと考えます。しかし、人間が「出来ることは何でもやれる」と思っている自由というものは、自分を知らなさ過ぎます。その証拠に、何でも出来ることで高慢になったり、したいと思っていることが出来ないことで不満を覚えたりします。ことの判断をする主人公が自分でしかないからです。

 「それくらいのことでいい気になっている自分」や「そんなことで不満になっている自分」を冷静に客観的に眺めることが出来ることが、自分に自由であるということです。そして、「よし、もっと本気で取り組むことに取り掛かろう」となったら、今までの自分を超える生き方へと変わることになります。

 その「本気で取り組め」という声は自分で自分にかけられるものではありません。それは、自分を超えたものからです。その自分を超えたものを消すなら、人間は自分の位置を見失います。アダムとエバが禁断を犯して結果はそれです。神が厳としておられ、神の戒めが聞こえているところに人間の自由が確保され、楽園にいることが保証されるのです。 

   篠田 潔

 (日本基督教団隠退教師・元「キリストへの時間」協力委員・ラジオ説教者)

7月放送予定

  6日 楠本 茂貴 (名古屋高等学校・中学校聖書科主任)

 13日 大藪 博康 (名古屋高等学校・中学校宗教部長)   

 20日 高見伊三郎 (名古屋学院大学宗教部長)

 27日 葛井 義憲 (名古屋学院大学法学部教授)

     (放送開始1952年10月)

CBCラジオ「キリストへの時間」(1053KHZ

毎週日曜日朝6時30分~45分放送

 =お知らせ=

 サッカーWカップの試合の放送ため、時に放送休止の場合がありますが、その時は、順次繰り下げ放送で対応いたしますのでご了承ください。

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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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