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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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松田重雄が観た「切支丹燈籠の世界」(2) 
 
 
「切支丹灯籠への思い」(1)
 
 「あなた方に言うが、もしこの人たちが黙れば、石が叫ぶであろう」(ルカ19:40)
 
 石が語る
 私たちの燈籠についての関心事は、多くの場合その姿形でしょう。石の美しさ、構成された曲線美、全体のバランスなどは、心の平穏、安らぎを覚えるものがあります。しかし、素朴な線、野趣に富んだ姿の戦国末期から江戸時代にかけて、祈りを込めて作られた切支丹石燈籠は、茶人たちにどのように受け止められたのでしょうか。そこから少し違った視点で見ることもまた趣があります。637357e6.jpg
 
松田重雄に戻りましょう。「燈籠に使用されている石材が、どの地方から産出したものであるか、それを探ることは研究上一つのヒントを得、切支丹燈籠の手がかりをつかむことがある。かつて岡山県御津町金川妙覚寺の燈籠は長崎から運ばれ、三次市および呉市佐々木家に残る燈籠は京都から運ばれたとか、四日市市の常徳寺・瀬戸市の堀内家のものは平戸から持ち帰ったなど、他の地方から持ってきたものが所々にある。…。たとえば、このような話がある。その石は北海道では産出しないものであるが、松前藩主家の墓地に切支丹燈籠がある。その理由は、郷土史家の調査・研究で昔松前船・弁財船で能登方面から石材を運んだことが分かった。これらの船は江戸時代越前三国港に寄港して越前米を積み、能登方面からその他の物資を積荷し、北海道に回送していた。寛永5年(1628)千軒岳に金山が開発され、800人余の人夫が各地から来ている。千軒金山や松前の大沢金山には、多くの潜(かく)れ切支丹たちが潜り込んでいたのである。「蝦夷切支丹」と呼ばれている」。
 何時の世でも、どこの国でも人の考えることは共通しているようです。新約聖書の迫害下にあったキリスト者、中世の改革者たちはその時々にいろいろな知恵と方途の中で耐えました。そこには信仰がありました。集まりもありました。
 弾圧・迫害が厳しくなった頃、み言葉(聖書)を持たない人々の拠り所は何だったでしょうか。それはその仲間だけが知る礼拝物を作り、それをどうして守り抜くかでした。指導者・信者たちは日夜腐心したことでしょう。日本人は仏像を模してマリヤとキリストを仮託した物を作りました。乳房のあるマリヤ観音・マリヤ地蔵・切支丹燈籠・納戸神などはそれです。このうち切支丹燈籠には他の石造物や織部燈籠とは異なる作為のあることがわかります。江戸時代に盛んであった観音信仰・地蔵信仰・道祖神信仰・天神信仰に習合し、ご尊像をそれに似せたり、また、故意に折ったり、尊像を削り取ったり、または周囲を壊したり、土中に埋めたりするなど、人目を避けさせ、関心をそらすなど用意周到にカムフラージュしていたことが分かります。70e1a0b0.jpg
 燈籠は庭作りには大切なものでした。作庭と石燈籠とは深い関係を持っていました。前述しましたが、もともと石燈籠は神社・仏閣の御光として献納されたものがその始まりでした。 
写真=京都市右京区嵯峨・天竜寺 「花のいえ」の庭にある燈籠=松田章義氏撮影07-11-1
=記= 
「…」内の文章は、松田重雄著「切支丹燈籠の謎」(同信社)からの引用です。また、ご子息の松田章義氏の賛同をいただいております。インターネットで「キリシタン燈籠」を検索して参考になさることをお薦めいたします。 長村
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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