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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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  「ローマ人への手紙」研究 (115)

 第65課 異邦人の召命とユダヤ人の拒否

       9章1~11章36節(続)

F 神のユダヤ人拒否は最終的なものではない。何故なら、彼らの多くの者がキリストへ立ち帰るからである。

      9章1~36節 (27)

 「神は完全に、また絶対的に人間から自立しておられる」。

         (11:34~35) 

 「だれが、主の心を知っていたか。だれが、主の計画にあずかったか。また、だれが、まず主に与えて、その報いを受けるであろうか」。

       11:34~35(2)

 神は永遠からすべて起こり来ることを予定しておられるが、この予定は予知に基づくものであると主張する人たちがいます。罪人の救いという問題について、この考えによると、神は永遠からある人々を永遠の生命に選んでおられるが、この選びは、その人たちが人生のある時点において自らの意思によって悔い改め、キリストを受け入れることを、神が予め知っておられたことに基づいてなされたのであると考えるのです。

 勿論、この考えは神の永遠の予定と選びが真のものではなく、また効果的でもなく、単なる言葉の上での作り事であるということを婉曲に述べたに過ぎません。もし救いを望むようになることを神が予め知っておられる人たちの救いを神が予定されているのであれば、神の予定は作り事に過ぎなくなってしまいます。これは、神が永遠に聖定において人生の永遠の問題を、罪ある被造物の人間の自由意志に委ねてしまわれ、ご自身は人間がその自由意志によって決定するところを、単に承認されるだけであると言うことと同じです。これは正確に言うと、「神は自ら選ぶ者を選ばれる」という教えだと言ってもよいのです。これは人間の選択が真に有効であって、神の選択は人間の選択の単なる批准に過ぎないことになります。

 このような神の主権性と自立性の否定は、聖書の入念な釈義からは決して出てこないものです。このような見解を持つ人たちと話してみると直ちに、彼らが一種の人間中心の推理に立って立論していることが分かります。彼らは神の主権性と人間の自由、責任を調和させることができないので、神の主権性を事実上否定して、人間の自由性を擁護することによって、このパラドックスから逃れようとするのです。

 私たちの教会が立っている改革派神学は、畏れつつこのパラドックスを未解決のままにしておくのです。このパラドックスは聖書の中に深く座を占めていることを知って、それら両者のいずれをも犠牲にすることなく、双方とも主張するのです。

 この問題を巡って極めて粗雑な論議がなされている。時々、カルヴァン主義は神の主権性を教え、アルミニウス主義は人間の自由と責任を教えている。私

たちはカルヴァン主義とアルミニウス主義の両方を取り入れて、真理を全体的に捉えならなければならないと言われる。このような考え方は、ある人々に訴えるものをもっており好評を博しているのです。そのような事実が現実にあるので、ここで反論しておかねばなりません。

 J.G.ヴォス著

 玉木  鎮訳

(日本キリスト改革派引退教師)

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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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