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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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「あなたに聖書を」

「キリスト教百話」・・・20

問18 前々回マザー・テレサのことに触れ、彼女は「神に聞き従うことによって、人を愛する自由を得た人であった」と言われましたが、神に聞き従うことによってそういうことが出来るのですか。また「汝の敵を愛せよ」と言われていることが本当にできるのでしょうか。

「答」 「敵」はやっつける相手であって愛する相手ではありません。ですから古来敵はみなやっつけて来ました。そうでなければこっちがやられてしまいますから、敵を愛してなんかおれません。モーセの律法といわれているものの中に「目には目、歯には歯」という規定があります(出エジプト記21:23)。

 これは損害賠償法とも言うべきものであって、同刑復讐の原則です。こういう規定を造った前提には、人間は他者を敵対視するものであるという人間理解があります。しかも、目を痛めつけられたら目どころではなく、相手の手も足もやっつけずにはおかないものであることをよく知っているために「目をやられたら、目をやり返すだけで止めておきなさい」という抑制をきかせている規定です。言われた方は「そういわれりゃそうだな、まあ、その辺で済ませるか」ということになります。こうして果てしなく報復をせねば落着けない人間に対するある程度のブレーキがかけられることになります。

 ところが、イエス・キリストは「あなたがたも聞いているとおり、『目には目を、歯には歯を』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。悪人には手向かってはならない。だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。・・・敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」と言われました(マタイ5:38~44)。こうなると「とても出来ません」と言うしかありません。クリスチャンの多くはここで悩みます。キリストを信じていると言いながら、キリストが命じられているようにはなっていないからです。

 しかし、ここで大切なことは、このように命じておられるキリストは、自分でその通りに生きられた方である、ということです。周知のように、キリストは自分を十字架につけた人たちのために「父よ、彼らをお赦しください。彼らには自分のしていることが分かっていないからです」と祈られました。

 ここには報復は一切ありません。あるのは赦しの愛です。言い換えると、キリストの側からすれば、自分を十字架につけた者たちを「敵と見ていない」ということです。また敵は「報復すべき相手ではなく、愛すべき相手である」と見ておられるということです。「敵は戦って打ち負かす相手でも、やっつけられて倒される相手でもなく、愛する存在である」となったら、事態は変わってきます。

 そう見られていることが分かったら、相手も変わってくるでしょう。「敵」にこだわっている限り、敵はいつまでも存在します。愛することが出来るかどうかにこだわらないで「敵は愛すべき者」と見定めるところに、自他の救いがあるのです。

   篠田 潔

(日本基督教団隠退教師・元「キリストへの時間」協力委員・ラジオ説教者)

 

  8月のラジオ放送予定  

   8月 3日 田口博之 (日本基督教団名古屋桜山教会牧師)

     10日 田口博之 (日本基督教団名古屋桜山教会牧師)

     17日 田口博之 (日本基督教団名古屋桜山教会牧師)

     24日 吉澤 永 (日本基督教団愛知教会牧師)

     31日 吉澤 永 (日本基督教団愛知教会牧師)

     (放送開始1952年10月)

CBCラジオ「キリストへの時間」(1053KHZ

毎週日曜日朝6時30分~45分放送

 

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
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(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
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定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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