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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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さんびか物語 (6)

    (広く愛唱されている50曲)・・・5     

 ポリン・マカルピン著

          (米国南長老教会婦人宣教師) 

讃美歌62番

 主イエスのみいつと みめぐみとを

<神様のみ言葉> 

「私は心を尽くして主に感謝します。あなたの奇しいわざを余すことなく語り告げます。私は、あなたを喜び、誇ります。いと高き方よ。あなたの御名をほめ歌います」。

              =詩篇9編1節、2節=

 

 この讃美歌は礼拝の時に歌われるもので、讃美歌62番の作詞者チャールス・ウェスレー(1707~1788)は、英国教会聖職者サムエル・ウェスレーと妻のスザンナの18番目の子供としてエブウォスで生まれました。チャールスは8歳の時、兄サムエルが教えていたロンドンのウエストミンスター・スクールに入学し、そこからオックスフォード大学へ進みました。卒業後兄のジョンとともに、伝道のためにアメリカに渡りました。しかし、事志しと反して、再び、イギリスに帰ってきました。

 1738年、ジョンと一緒にモラヴィア派の集会で回心を経験いたしました。それ以来、この二人の兄弟はイギリスの信仰復興のために、各地で信仰運動を熱心に続けました。ジョンの方は、国教会から分離してメソジスト派の有力なリーダーになりましたが、チャールスは母教会にとどまり、特に社会から見捨てられていた哀れな人々に向かって、熱心に神の愛とキリストの救いを宣べ伝えたのであります。

 また、開拓伝道を行い、多くの人々に福音を伝えた彼は、説教者としても兄に劣らなかったそうです。

 しかし、彼の本来の才能は詩人として素晴らしい花を咲かせました。彼が回心の結果、真の信仰に目覚めてから、彼の心には泉のように詩が湧いてきて、毎週数編の讃美歌を作り、一生の間に作った数は、6,500以上と言われています。

 彼はメソジスト運動の代表的歌人であるばかりでなく、英語讃美歌作者の中での王とも言われ、この運動の成長、発展に大いに役立つところがありました。

 1954年版の讃美歌には、彼の作品が14曲ほど収められています。その中かでも一番有名なものとしては273番のわがたましいを愛するイエスよであります。その讃美歌は世界中の国々の言葉で歌われている、あつき信仰に満ちた素晴らしい歌です。

 62番の讃美歌も、彼の5本の指に数えられるものの一つで、この歌は、彼の回心1年を記念して、1739年に作られたもので、初めのもは19節から成っていましたが、今日では原作の7節から12節だけが歌われています。英語の初めの行“O for a thousand tongues to sing my great Redeemer’s praise”(千言万語を費やしても、神への讃美を言い尽くせない)は、ウェスレー兄弟を回心に導いたモラヴィア派の伝道者ペーター・ベーラーの表現にもとずいていると言われています

 

 讃美歌AZMONの原作者カール・G・グレーザー(1780)はドイツのラィプッィヒの聖トマス学校で法律を学んでいましたが卒業後、ブレメンで楽器店を経営しながらピアノ、バイオリン、声楽などを教え、合唱団を指揮し、合唱曲や独唱曲の作曲などをしていました。

 編曲者ロウエル・メイスン(1839)は、独学で音楽を学び、20歳までにあらゆる楽器の奏法を習得しました。20歳の時ジョージヤ州のサヴァナ市に行って、銀行員になりましたが、夜は音楽の勉強を続け合唱団を指揮し音楽を教えていました。

 1822年、彼はボストンに移り当時の人々に好評を得た聖歌集を出版しています。その後、G・J・ウェブと共に、ボストン音楽学校を設立し、「アメリカ讃美歌の父」「アメリカの音楽教育の父」と称せられるほどの著名な人物になりました。

 彼は、特にヨーロッパの讃美歌を多く編曲し、アメリカの人々に親しまれる作品へと生まれ変えさせました。

 AZMONもその一つで、原曲はグレーザーのどの曲であったかは不明ですが、1839年にメイスンの出版した讃美歌集で、この曲が初めて編曲され発表されました。

 

   <62>

1 主イエスのみいつと みめぐみとを

ことばのかぎりに たたえまほし。

  2 とうときわが主よ たかき御名を

  ひろむるこの身を たすけたまえ

3 うれいをなぐさめ おそれを去る

  み名をばつみびと 聞くうれしさ。

 

4 くらきのちからを イエスはくだき

  血をもてあがない すくいたもう。

5 死にたるこころも 活きかえらせ

  のぞみをあたうる み名をたたえん。

 

1節では、神様を讃美する言葉ではじまり讃美する言葉で終わっています。讃美歌は神様を讃美するために書かれたものですから当然といえますが、その言葉の一つ一つに神様の聖名と救いのみ業と私たちに対する愛とが歌われ、信仰の喜びと感謝の心が表現されていなければ、讃美の歌とはなりません。主イエスのみいつとみ恵みとを、言葉の限りにたたえなければならない、と作者は教えます。

私たちも、いつも信仰の喜びに満たされて、心から讃美の歌声をもって、主をほめたたえたいと思います。

2節では、伝道者の唯一の責任を中心にして歌っています。私たちクリスチャンには、イエス様がマタイの福音書28章19節以下に示されていますように「あらゆる国の人々に」尊き主イエス・キリストのみ名と福音を宣べ伝えなければならないという、偉大なそして大切な役割があります。

それは、「この方(主イエス・キリスト)以外にはだれによっても救いはありません。世界中でこの御名のほかには、私たちが救われるべき名としては、どのような名も人間に与えられていないからです」(使徒4:12)と記されているからです。

この尊い責任を十分にはたし得るためにも、私たちは、主イエス・キリストのもとに助けを求めることを2節で教えています。

3節から5節では、うれいの中にある人、恐れをいだいている人、罪に打ちひしがれている人、暗闇の中にとじ込められている人、望みを失っている人、死に直面している人々に向かって、主イエス・キリストのみが与えてくださる慰めとみ力、十字架の尊い血しおによって獲得なさったみ救いを、その人その人の必要に答えて、豊かにお与えくださることを力強くあかしされています。

そうして、再びキリスト(救い主)であられる神様のみもとに立ち返ることをすすめています。時代が変わり、歴史が移りましても、この尊い福音のメッセージは永遠に変わることはありません。

イエス様が、バプテスマのヨハネの弟子にお語りになられたみ言葉を、今一度、ここでお読み下さい。

「あなたがたは行って、自分たちの見たり聞いたりしたことをヨハネに報告しなさい。盲人が見えるようになり、足なえが歩き、らい病人がきよめられ、耳の聞こえない人が聞こえ、死人が生き返り、貧しい者に福音が宣べ伝えられています。だれでもわたしにつまずかない者は幸いです」(ルカ7:22~23)。

皆さまも、このキリストのお与え下さる幸いを味わい知るために、自分のものにするために、自分の罪を神様のみ前に告白し、悔い改めて、十字架のもとへ行かなければなりません。

どうぞ、自分のこの世の肉の人間的なプライドを捨てて、主イエス・キリストにつまずくことなく、キリストに立ち返ってください!

=「さんびか物語」は「つのぶえ社」の出版(第一刷1974年、第二刷1992年)で、出版社の許可を得て掲載しています。本の購入を希望される方は、

「つのぶえ社」までご注文ください=

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
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 共著者・編者
鈴木達治郎
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城山英明
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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
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発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
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本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
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「つのぶえ社出版の本の紹介」
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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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