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世田谷通信
(132)
猫 草
蔓性の雑草というのは、最強なんじゃないか・・と草むしりをしていると良く思う。雑草と言うのはこちらの認識が雑であることを表象しているだけで、もちろん、正式にはガガイモ、ヤブカラシ、クズ、アレチウリなどきちんとそれぞれに名前がある。とはいえ当の植物達は名前があろうとなかろうと一向に気にせず日々陣地を拡大している。
特に感動するのはガガイモ。うちのキャットテールの中に見事に混じっている。キャットテールは赤いふわふわした花がたくさんつき、つる性でよく伸びる。伸びるなかに・・ふと気がつくと一緒になってガガイモが繁殖している。ガガイモくん、悪いがキミを育てているつもりはない。と抜こうとしても、複雑にからんでどうにもならない。茎の途中からも根が出てアンカーを打ち込んでいく作戦をとるガガイモのほうが断然強いので、だんだんキャットテールの元気がなくなっていく。排除できぬまま、負けるな!の精神的支援を送るもむなしく、その一帯はほどなくガガイモ地帯と化す。
そしてヤブカラシ。なぜあなたは熱風吹き出すエアコン室外機に巻きついて平気なのか。そこ熱くない?熱いよね。生きる場所を選ぼうよ。と話しかけても、不敵にそよそよと触手を伸ばしている。他の草が乾燥に耐えかねて撤退する中、平然と成長する姿は最強、むしろ不気味だ。
前二者ほど強靭ではなくてもアサガオやヘクソカズラのいかにも頼りなげに触手(まきひげ、或いは若い茎)を揺らしてのんびりした風情も油断ならない。触れた瞬間ねじねじっと巻きついていく、あの受身から急に本性むきだしな感じ。風任せで偶然に頼るから指向性は低いだろう、でも、巻きついた次のアクションは非常に的確、ねじって相手を固定するだけでなく、途中で螺旋をくるんと回転させて逆向きにロックしてしまう。もう簡単には外れない。あなたたちなんて頭いいの?と褒めたくなる。
ネットワークとか、エネルギー供給の脆弱性などとよく言われるが、植物の賢さを少し見習ったらよいのに。ただ延々と補給ラインを伸ばすのではなく、途中でバックアップや蓄積装置、調節弁を作って、ある程度の機能を常に残すとか。生き残ることの知恵にかけては動物の歴史など植物に及ばない。いわんや人間の知恵をや、というところだろう。
*この添付のイラストは絵を描くのが大好きな次男がパソコンのペイントツールで描いたものです。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」