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世田谷通信
(135)
猫 草
ウサギで7歳といえば、人間ならかなりの高齢。うちのウサギも急に老け込んで介護の日々である。もともと視力が弱い上に結膜炎が悪化、目薬は欠かせない。首が傾く持病があり体のバランスが保てないので、抗原虫薬を飲ませる。さらに足の裏が床ずれ状態になり包帯を巻いているのだが、化膿防止に抗生物質のクリームと飲み薬。目下、家の中で一番手厚い医療を受けているのは体重わずか750gの小さなウサギなのである。
足の裏に包帯・・と書いたが、これがなかなか大変である。ウサギの中でも最小のネザーランドドワーフ、その後ろ足の長さは約5cm。本来ふかふかの毛に覆われた足の裏、それが病気により体のバランスを欠いて汚れがちになり、赤剥けになっている。ソアホックという病名である。足にガーゼを当てて伸縮包帯で固定する。汚れるたびに1日に何度も交換する。
この伸縮包帯、本当に素晴らしい発明だと思う。テープと違ってべたべたしないのに、包帯の端を重ねると繊維どうしがからみあってぴったりくっつく。ウサギが動いても蹴っ飛ばしても外れない。手触りは包帯そのもの。接着度は強力なのからごく弱いものまで多様である。医療の進歩だなあ、なんて思う。
ウサギに使える軟膏は種類が限られるのだが、赤剥けになった皮膚にはコラーゲンの生成を促すというクリームを塗っている。
腰に力が入らず便秘になるので排便の補助もする。毛づくろいができないのでウェットティッシュで体をぬぐってやる。飲み薬は小さなシリンジで飲ませる。まあ、いまは出来ることはなんでもしている感じである。それでも体力が落ちて自力で食事ができなくなったら、そのときが限界と判断するか、強制給餌で延命すべきか獣医さんと相談中である。
750gのウサギの介護は片手でできる。これが体重50kgの人間ならどんなに大変かとしみじみする。小さくとも命は命。ヒトでもネコでもカメでもそれぞれに一つの命。目の前に苦しんでいる生き物がいるのなら、少しでも和らげ、快適に生活できるようにと願う。ウサギの名前は「せいじ」。生きる時、と書く。もう足腰が弱って自力で起き上がれないけれど、最後まで小さな命のライフタイムを支えたい。
*この添付のイラストは絵を描くのが大好きな次男がパソコンのペイントツールで描いたものです。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」