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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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「あなたに聖書を」

「キリスト教百話」・・・28

問20・・6 キリスト教では「罪」と言うことを言いますね。クリスチャンは「われらの罪を赦し給え」と祈っていますが、別に犯罪を犯しているようでもないのに、どうしてあんなことを言うのですか。

答   「罪」と言う言葉は普通には何か悪いことしたことに対して、それは「罪を犯した」という風に使われますね。それが法律に引っかかる場合には明らかな「犯罪行為」とみなされます。その場合は法律に違反しなければ「犯罪」とはなりません。と言うことは、その場合の「罪」というものは、そのほうりつが適用せれる範囲内の人にとって誰もが認める共通の「してはならないこと」が明文化されていますから、「罪」とは何かがはっきりしています。

  <続き> 戒めは神からのものでありますから、戒めに背くことは、神に従うことをやめることになります。それは神よりも自分が主人公になるということです。主人公を持っていなければこういう事態は起こり得ません。罪を犯したという罪意識は起こりません。クリスチャンが罪の赦しを神に求めるのが何故か分からないと言う人は、自分が主人公になっているから、神を主人公とし、神の戒めに従うことが楽園にいる保障となっているということが分らないためにそう言うのでありまして、無理からぬところであります。こういう人に罪とはなんであるからを分かって貰おうとすれば、神のことを知って貰わなくてはなりません。

 キリストが語られた話の中で「『放蕩息子』のたとえ」と呼ばれている有名な話であります。」

 それは次のような話です。

 「ある人に二人の息子がいた。弟が父に『俺が貰う分の財産は今すぐにくれ』とせっつくので、父親は相続分の生前贈与をした。貰った息子はそれを全部カネに替えて、『はい、さようなら』と、父親の干渉から全く離れた遠くへ行って、そこで、自分の好き勝手な生活をした。遂にカネがなくなった。放蕩にあけくれていた彼を雇ってくれる人はなく、やっとのこと当時みんなから一番嫌われていた豚飼いの仕事を与えられたが、腹が減ってたまらず、豚の餌を食べたいと思うほどになった。惨めさの極限に達したのだ。その時彼は我に返った。『どうして俺はこんなにまで落ちぶれ果てたんだろう』と思ったのだ。そうして得た結論は『俺がオヤジのことなんか構わずに俺の勝手に生き始めたところから、全てが狂っちゃったんだ。俺の今の惨めさはそのツケだ。オヤジのところへ帰れば、こんなひもじい思いはしなくても済む。あそこへ帰りたい。しかし、この俺が、どの面下げて帰れるか。身の程知らずもいいところで、みんなからも散々ののしられて当然だ。

 でも、今となってはそんなことはどうでもいい。とにかくオヤジには地べたに頭をこすりつけて俺が悪かった、申し訳ないことをした、と詫びるしかない。それだって詫びて済むことではないから、もう息子として扱ってくれなくて雇人の一人として使ってくれ、と頼み込もう』という決心をするに至った。こうして彼は往年の彼とは全く見間違う落ちぶれ果てたしょぼくれ姿で、父の所に帰ったのであった。

 一方、父親はというと、毎日『あいつはあんな風にして飛び出していったが、ああいう奴のことだ。きっと行き詰って帰ってくるしかないだろう。でも帰って来てくれさえしたら、消息不明なんて言うより安心出来る。帰ってこいよ。』という思いで、毎日家の外を見ながら、息子の帰るのを待っていた。だから遠くにどこの誰とも見分けがつかないような人影が見えた時『あ、あいつだ』と素早く見て取って、自分の方から走り寄って抱きかかえて迎えてやったものだ。

 息子の方は、豚小屋を出た時からオヤジに謝る言葉を繰り返し心の中で反芻していたのであろう。オヤジに会うや否や『オヤジ、俺が悪かった。赦してくれ』と言い、それに続けて『俺はもう息子と呼ばれる資格はない・・・』と言うつもりだったのに、父親はそういうことを言うのを遮るかのように『よく帰ってきた。わしはお前が出たきりになっているので、もう死んでいるのではないかと思っていたんだ。それなのに帰ってきてくれて本当に嬉しい』と言うと同時に、召使いの者たちに、大声で『おお~い、いなくなっていた息子が帰ってきたぞ。こいつに一番良い着物を着せてやってくれ。そして、さあ、歓迎大祝賀会だ。近所の人もみんな呼んで最上のご馳走を振るまって、喜び祝おう』と言った。」

 以上の話はルカによる福音書15章というところに記されている話です。  

               篠田 潔

(日本基督教団隠退教師・元「キリストへの時間」協力委員・ラジオ説教者)

    <4月のラジオ放送予定>  

   4月 5日 草野 誠 (日本キリスト改革派恵那教会牧師)

     12日 草野 誠 (日本キリスト改革派恵那教会牧師)

     19日 小野静雄 (日本キリスト改革派多治見教会牧師) 

     26日 小野静雄 (日本キリスト改革派多治見教会牧師)

          (放送開始1952年10月)

CBCラジオ「キリストへの時間」(1053KHZ

毎週日曜日朝6時30分~45分放送

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
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スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
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「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
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 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
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キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
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著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
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