[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
解説 ウエストミンスター信仰告白 (35)
岡田 稔著
(元神戸改革派神学校校長)
第17章 聖徒の堅忍について・・1・・
1 神がその愛するみ子において受け入れ、みたまによって有効に召命され、きよめられた人々には、恵みの状態から全的にも最後的にも堕落することはあり得ない。かえってその状態に終りまで確実に堅忍し、そして永遠に救われる(1)。
1 ピリピ1:6、Ⅱペテロ1:10、ヨハネ10:28,29、Ⅰヨハネ3:9、Ⅰペテロ1:5,9
一 これはカルヴィン主義の5特質と呼ばれるものの一つである。聖徒である信徒の救いの根拠は、主イエス・キリストの仲保に置かれており、かつ、そのキリストとの結合・一致は、聖霊の働きによるものであるから、客観的に言って絶対的なものであり、部分的に、あるいは一時的には「恵みの状態」から転落し、離反することはあっても、全体的な、また最後的な脱落はありえないのである。
「堅忍」とは、危険がどれほど深まっても、根本的には持ちこたえる、という意味である。この主張がカルヴィン主義の原理の一環を構成すると言うのは、救いが恵みであり、絶対他存であって、救われる者自身の中にある何物にも依存しないということである。すなわち、救いにおける神中心、神の主権的意志という原理に直結しているからである。
2 聖徒のこの堅忍が依拠するのは、彼ら自身の自由意志にではなくて、父なる神の自由・不変の愛から出る選びの聖定の不変性(1)、イエス・キリストのいさおしと執成しの効力(2)、みたまと神の種が彼らのうちに宿ること(3)、および恵みの契約の性質にである(4)。これらすべてから堅忍の確実性と無謬性も生じる(5)。
1 Ⅱテモテ2:18,19、エレミヤ31:3
2 ヘブル10:10,14、ヘブル13:20,21、ヘブル9:12-15、ロマ8:33-39、
ヨハネ17:11,24、ルカ22:32、ヘブル7:25
3 ヨハネ14:16,17、Ⅰヨハネ2:27、Ⅰヨハネ3:9
4 エレミヤ32:40
5 ヨハネ10:28、Ⅱテサロニケ3:3、Ⅰヨハネ2:19
二 聖徒の堅忍の教理は、救いの確実性はどこからくるかということになると、それが救われる者の側からではないことは言うまでもないのであるが、さて、その確実性にはどの程度の強さがあるかとなると、それは100%のもので、一分一厘の不確かさも含まない確実さであると言うことができよう。三位一体の神の全面的な保証の確実さである。
それは、父なる神の永遠の聖定に基づき、主イエス・キリストの全き贖いと執り成しにより、聖霊の保証を得ているもの、そして、この三位一体の神と選ばれた民の贖い主なるキリストとの間に立てられた、恵みの契約に基づくところのものである。世にはこれ以上の確実なものはあり得ないのである。
*******
この文章は月刊「つのぶえ」紙に1951年(昭和26)10月号から1954年(昭和29)12月号まで書き綴ったものを単行本にしたものです。「つのぶえジャーナル」掲載には、つのぶえ社から許可を得ています。「ウエストミンスター信仰告白」は日本基督改革派教会出版委員会編を使用。
単行本購入希望者は「つのぶえ社」に、ご注文下さい。¥500
465-0065
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」