忍者ブログ
2023年7月号  №193 号 通巻877号
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 

さんびか物語・・・15・・・

    (広く愛唱されている50曲)・・・14     

 ポリン・マカルピン著

          (米国南長老教会婦人宣教師) 

讃美歌163番

 あまつみつかいよ           

<神様のみ言葉>

「また、私は開かれた天を見た。見よ。白い馬がいる。それに乗った方は、『忠実また真実。』と呼ばれる方であり、・・・、その頭には多くの王冠があって、・・・、血に染まった衣を着ていて、その名は『神のことば』とよばれた」。・・・。その着物にも、ももにも、「王の王、主の主。」という名が書かれていた」。               

=ヨハネの黙示録19章11~13節、16節=

1世紀の終わり頃、使徒ヨハネが信仰のために、パトモス島に島流しになった時、主イエス・キリストが、神のみ使いを遣わして、すぐに起こるはずのことを黙示をもって僕ヨハネにお告げになったと、ヨハネの黙示録1章1節に記されています。

作詞者エドワード・ペロネットは、このヨハネの黙示録を通してお現われになった王の王、主の主を讃美歌163番あまつみつかいよを中心的な柱にして歌っております。同時に、主イエス・キリストの主権についても歌い上げておりまして、優れた歌を書いたその才能を、神様に讃美したいと思います。英語の讃美歌でこれほどよく知られ、評判の高いものはないそうです。

エドワード・ペロネットはイギリスのケントで生まれ(1726~1792)ました。祖父はフランスからの新教の亡命者であり、父のビンセントはスイスからイギリスに移って、50年間ショウハームの国教会の聖職として勤めました。

父のビンセントは有名なウエスレー兄弟を支援したのですが、国教会からは脱退しませんでした。しかし、息子のエドワードの方は、お父さんよりも一層メソジスト運動に賛同して、若い頃はジョン・ウエスレーと共に伝道したりしていたと言われております。しかし、その後、いろいろな問題に関連して意見が合わなくなったために、別々になってしまいました。

その後、ペロネットは教派から教派へと移って、最後には、カンタベリーにあった非国教会のある教派の牧師として、その生涯を終わっています。ペロネットがカンタベリーに移って間もなく、ウイリアム・シュラブソールという非常に才能のある青年と仲のいい友人となりました。

シュラブソール(1760・1~1806・1)は、かじ屋の息子としてカンタベリーで生まれました。小さい時から音楽が好きで、カンタベリーの有名な大聖堂の聖歌隊員として7年間、歌っていました。同時にそこでオルガンをも学びました。

シュラブソールの20歳の時に、この163番の曲MILES LANE

(彼がオルガニストとして勤めていた教会の名前)がThe Gosepel agazinという雑誌の11月号に発表されましたが、作曲家名が記されていませんでした。その同じ11月号の同誌に、エドワード・ペロネットのイエスのみ名の力を仰げよ(163番の英語の表題)の一部だけが無名で初めて発表されました。

曲MILES LANEは、ペロネットの依頼によってシュラブソールが作ったと言われていましたが、最近、この節を疑問視した意見が出ましたが、やはり、従来から言われております通り、依頼によるものと思われます。ともあれ、この二人の素晴らしい才能と深い信仰の結びあわせによって、このような貴重な作品が出来上がったのは世界中のクリスチャンにとりまして、大きな惠みと言えましょう。

翌1780年版のCollection of Palm  Tunesにおいて、初めてシュラブソールの名前がMILES LANEの作曲者として記されました。更に、ペロネットは1785年に完成されたイエスのみ名の力をを彼のOccasional Versesという機関紙に発表しました。これは、今日では世界中の大変めずらしく貴重な本として知られていて、今では二冊しか残っていないそうです。

シュラブソールは22歳でバンガの大聖堂でオルガニストとして選ばれましたが、非国教会と関係を持ったことを理由に辞めさせられました。それで彼は、ロンドンへ移り音楽の教師となり、非国教会のスパフィルドチャペルのオルガニストとなって、亡くなる1806年1月18日まで終生勤めました。

<163>

1 あまつみつかいよ イエスの御名の

  ちからをあおぎて

  君の君、主の主とほめよ。

2 いのちをささげし あかしびとよ

  ダビデの御裔(みすえ)を

  君の君、主の主とほめよ。

3 世のつみびとらよ イエスの愛と

  なやみをおもいて

  君の君、主の主とほめよ。

4 よろずのくにびと みまえに伏し

  みいつをあおぎて

  君の君、主の主とほめよ。

5 とわに世をしらす イエス君にぞ

  かむりをささげて

  君の君、主の主をほめよ。  

 素晴らしい讃美歌163番の言葉を読み、また歌うにいたしましても、深く感じられるのは、その3行目の君の君、主の主というクライマックスであります。この日本語訳は最も聖書的であり、英文の原作のすべてのものの王として王冠をさずけよう!よりも、本当に優れたものであると思います。

また、この言葉とシュラブソールの曲を合わせて歌います時、讃美歌としての無上の喜びと幸いを味わい知ることができると思います。

1節では、作詞者はみ使いたちに向って歌っているようです。あまつみつかいよ、イエスのみ名のちからをあおぎて、主とあがめよと奨めるのであります。この奨めを頂いて、私たちもイエスのみ名によってのみ、祈りを捧げる資格が与えられていることを決して忘れはありません。また、すべてを造り、すべてを治め給うのは三位一体の神であられることを覚えて、そのみ名の力を仰ぎましょう。

2節では、「神のことばと、自分たちが立てたあかしとのために殺された人々」(黙示6:9)、つまり、いのちをささげしあかしびとに向かって、ダビデの御子であったイエス・キリストを主とあがめよと歌っています。

ここで思い起こさせますのがイザヤ書の有名な11章1節であります。

「エッサイの根株から新芽が生え、その根から若芽が出て実を結ぶ」。また、しゅろの木の枝をとって出迎えのために出て来て「ホサナ、祝福あれ。主の御名によって来られる方に」(マタイ21:9)とイスラエルの王に叫んだ群衆の声であります。私たちは、このように主をお迎えできているでしょうか。

3節では、私たち一人一人に向かっての呼びかけです。世のつみびとらよと歌っているからです。私たちはみな、このグループの一員です。みな罪人なのです。主イエス・キリストの贖いの十字架の死がなければ、誰一人の例外もなく滅びなければならない者です。ですから、イエスの愛と悩みを忘れてはなりません。

4節と5節では、世のすべての人々に呼びかけて、よろずの国々の人々が主イエス・キリストは唯一の主権者であり、絶対的な王であり、主のみ名とみ前にひれ伏して、その栄光と尊厳とを仰がなければなりません。また、永遠に世をご支配し治め給うイエス・キリストに君の君、主の主としての冠を捧げてほめたたえなければならないと歌っています。

この作者の呼びかけは、神様ご自身が遠い旧約聖書の時代から語っておられることであります。イザヤ書45章23~24節であります。

「わたしは自分にかけて誓った。わたしたちの口から出ることばは正しく、取り消すことはできない。すべてのひざはわたしに向かってかがみ、すべての舌は誓い、わたしについて、『ただ、主だけ、正義と力がある。』と言う」。

ヨハネの黙示録11章15節にありますように「この世の国は私たちの主およびそのキリストのものとなった。主は永遠に支配される」キリストが再びこの世に来たり給うて悪魔を滅ぼし、すべてを、新たにするその日を預言しているのでありましょう。

どうぞ、私たちもその日のために希望をもって、正しく、また、雄々しくキリストの僕としての証しの歩みをいたしましょう。

  *****************  

この「さんびか物語」は「つのぶえ社」の出版(第一刷1974年、第二刷1992年)で、出版社の許可を得て掲載しています。本の購入を希望される方は、「つのぶえ社」までご注文ください=

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
ブログ内検索
カウンター
★ごあんない★
毎月第一日更新
お便り・ご感想はこちらへ
お便り・ご感想くださる方は下記のメールフォームか住所へお願いいたします。お便りは「つのぶえジャーナル」の管理人のみ閲覧になっています。*印は必須です。入力ください。
〒465-0065 名古屋市名東区梅森坂4-101-22-207
緑を大切に!
お気持ち一つで!
守ろう自然、育てよう支援の輪を!
書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

b997b4d0.jpg
 









「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
 a0528a6b.jpg









「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
4008bd9e.jpg
われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

0eb70a0b.jpg








さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

Copyright © [   つのぶえジャーナル ] All rights reserved.
Special Template : シンプルなブログテンプレートなら - Design up blog
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]