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さんびか物語・・・17・・・
(広く愛唱されている50曲)・・・16
ポ―リン・マカルピン著
(米国南長老教会婦人宣教師)
讃美歌184番
みさかえに入りし
<神様のみ言葉>
「わたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためにです。その方は、真理の御霊です。世はその方を受け入れることができません。世はその方を見もせず、知りもしないからです。しかし、あなたがたはその方を知っています。その方はあなた方とともに住み、あなたがたのうちにおられるからです」。
~ヨハネの福音書14章16~17節~
この讃美歌は、聖霊についてのすぐれた歌であります。
讃美歌184番の歌詞は、イギリスの女流詩人ハリエット・オーバーの手になるもので、彼女(1773~1862)は、1685年にイギリスへ亡命した、フランスのプロテスタント派のカルヴィン主義(ユグノ派)の信者の子孫でした。彼女はロンドンに生まれましたが、その89年の長い生涯を、静かな田舎町ハートフォードシャーで過ごしました。
ミス・オーバーは、英国国教会の信者として、信仰生活をおくっていましたが、それまで教会内で用いられていた詩編歌聖歌の改善を熱望していました。ミス・オーバーは、その改善の実現のために旧約聖書から、いろいろの大切な主願をとりあげて、美しい詩を書きました。
1829年に、それらを詩集‘The Spirit of the Psalms’におさめられて出版しました。この讃美歌も、この本におさめられていまして、早くから広く使用され、特にアメリカでは、大変人気がありました。
讃美歌184番の曲の作者は、ジョン・B・ダイクス(1823~1876)ですが、彼については讃美歌66番をご参考になさって下さい。
讃美歌184番の曲ST・CUTHBERTは、ペンテコステの曲として、英国やアメリカで広く歌われています。この曲は、1861年に出版された‘Hymns Ancient and Modern’におさめられていたものです。
<184>
1 みさかえに入りし 主にかわりて、
くすしきみたまは くだりぬ。
1節では、イエス・キリストが、十字架におかかりになる前の晩に、弟子たちとともに食事をなさいましたが、そして、その時、彼らに最後の励ましのお言葉をお語りにましました。その励ましとお約束には「わたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。その助け主がいつまでもあなたがとともにおられるためです」(ヨハネ14:16)とあります。
作者オーバーは、この約束のみ言葉を中心に歌っているのであります。‘みさかえに入りし主にかわりて、くすしきみたまは、くだりぬ’とは、どのようなことでしょうか?それは、主イエス様が約束なさった‘もうひとりの助け主’のことであります。
この助け主の役目は、何でしょうか。それは「私たちにすべてのことを教え、キリストが話されたすべてのことを、思い起こさせて下さること。また、罪について、義について、さばきについて、私たちにその誤りを認めさせる」(ヨハネ14:26、16:8)ことであります。私たちも、み霊のみわざを頂いて、自分自身の心の状態を教えられることを求めましょう。
2 もえたてるほのお はげしきかぜ
たえなるちからを しめしつ。
2節では、ペンテコステに起こった聖霊降臨を実に美しく歌っています。‘もえたるほのお’‘はげしきかぜ’‘たえなるちから’は、新約聖書の使徒の働き2章1~4節に記されています。
「五旬節の日になって、みなが一つ所に集まっていた。すると突然、天から、激しい風が吹いて来るような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。また炎のような分れた舌が現われて、ひとりひとりの上にとどまった。すると、みなが聖霊に満たされた」。このように、主イエスがお約束なさった助け主なる聖霊が、降ったのであります。
3 へりくだるものの うちにやどり
あふるるめぐみを たまえり。
3節では、神様が私たちひとりひとりに、この素晴らしい助け主を、お与え下さったことを歌っています。しかし、世の人々は、なぜ、この恵みを喜んで心に受け入れないのでしょうか。
「世人はその助け主を見もせず、知りもしないからです」と、記されています(ヨハネ14:17)。また、み霊の溢れる恵みを頂くことのできる者となるためには、条件がともないます。それは‘へりくだった謙遜な心’であります。自分の罪と弱さを知り、そして悔いる人にのみ、み霊がお降りになるのであります。
へりくだる者の内にのみ、宿るのであります。作者は‘へりくだるもののうちにやどり、あふるるめぐみをたまえり’と歌っています。
4 いい知れぬきよき みこえきけば
うれいもおそれも あとなし。
5 なぐさむるものよ みちしるべよ
くだらせたまえや われらに。
4節と5節では、み霊を‘いい知れぬきよきみこえ’‘なぐさむるもの’‘みちしるべ’と呼んでいます。神様のみ声とみ霊の、その呼びかけに、耳を傾けるその人にのみ宿るのであり、そのみ恵みによって憂いも、恐れも消えて行くのであります。
神様ご自身が取り除いて下さり、なぐさめ主なる神様が、私たちを本当になぐさめて下さるからであります。イザヤ書40章1~2節には「慰めよ。慰めよ。わたしの民を」と、あなたがたの神は仰せられる。「エルサレムに優しく語りかけよ。これに呼びかけよ。その労苦は終わり、その咎は償われた。そのすべての罪に引き替え二倍のものを主の手から受けた」とあります。
また「耳を傾け、わたしのところに出て来い。聞け。そうすれば、あなたがたは生きる。わたしはあなたがたととこしえの契約、ダビデへの変わらない愛の契約を結ぶ」(イザヤ55:3)とも記されています。
私たちが、この「まことの慰め」「愛のとこしえの契約」にあずかりたいと望みますなら、「神の御声に聞き従い、己が心に御霊の力を与えたまえ」と祈るべきであります。
また、正しい道しるべであられる主イエス・キリストに立ち返り、まっすぐに、雄々しく歩むべきで、そのために、主イエス・キリストは、迷える弟子に、そして私たちに、「わたしが道であり、真理であり、いのちです」(ヨハネ14:6)と、また「狭い門からはいりなさい。・・・いのちに至る門は小さく、その道は狭く、それを見いだす者はまれです」(またい7:13~14)とお語りになられました。
あなたも、まことの道を歩むために、まことの道しるべであられる、主イエス・キリストに従うことを決心して下さい。まことの慰めと永遠の命を得るために心を開いて神のみ声を聞いて下さい。
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この「さんびか物語」は「つのぶえ社」の出版(第一刷1974年、第二刷1992年)で、出版社の許可を得て掲載しています。本の購入を希望される方は、「つのぶえ社」までご注文ください=
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」