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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 「ローマ人への手紙」研究 (42)
 第33課 義認に続くキリスト者生活
       6章1節~8章39節(続)
 D この地上の生涯において、キリスト信者が励まされる理由
       8章29節~39節(続)
   私たちの主イエス・キリストにある神の愛より私たち引き離すものは何もない」。
       8章35節~39節
 
 「だれが、キリストの愛から私たちを離れさせるのか」。(続)
 
 自由意志についてアルミニウス説の見解は、人間の意志を独創的なものと見做すのです。彼らは人間の選択や決心は神の聖定とは独立していると見做し、それ故に人間は絶対的究極的に、自らの決定の根源であると考えます。このようにして、人間の意志は神の聖定や摂理に服すものではないとするのです。この立場は、本質的には人間の意志は神の被造物ではないとするに等しいものです。
従って、アルミニウス主義は確かに誤りです。正しくは、人間の意志を含めて、人間の人格は神の被造物であり、その機能は神によって予め定められており、神の摂理的支配下にあるのです。聖書は、決定的にこのことを教えています。聖書は人間の意志の自由な決定は、どんな場合にも、神の聖定の中に定められており、神によって支配されていることを教えています。3267eaa7.jpg
聖書の中には、このことを教えている箇所が幾つもあります。
「王の心は主の手の内にあって、水の流れのようだ、主はみこころのままにこれを導かれる」(箴言21:2)。
「まことにヘロデとポンテオ・ピラトとは、異邦人らやイスラエルの民と一緒になって、この都に集まり、あなたから油を注がれた聖なる僕イスラエルに逆らい、み手とみ旨とによって、予め定められていたことを、なし遂げたのです」(使徒4:27~28)。
「しかし彼らは父の言うことに耳を傾けようともしなかった。主が彼らを殺そうとされたからである」(Ⅰサムエル2:25)。
「それゆえわたしをここにつかわしたのはあなたではなく、神です。…あなたがたはわたしに対して悪をたくらんだが、神はそれを良きに変わらせて、今日のように多くの民の命を救おうと計らわれました」(創世記45:8,50:20)。
人間の心と意志とは、真の意味においては創造的ではありません。それは何一つ創造することはできないのです。人間の心の中にある全ての思想は、まず神のみ心の中にあるのです。そしてそれは永遠の神によって定められているのです。また人間の全ての決定もやはり神のみ心に中にあるものであって、神によって予め定められているのです。人間の真の意味において、何物をも創造することはできない。神こそ唯一の創造者であり、創始者なのです。
人間は複雑で精緻な機械を創作するが、そのアイデアが発明者の心に生まれる前から、それは神のみ心や目的の中に存在していたのです。人間はその生命や決定や行動によって、神の永遠の知恵や目的を再生産するに過ぎないのです。人間の思考も意志も決して真に自立的ではないのです。
 
私たちはここでしばらくローマ書の学びから離れて、アルミニウス主義の自由意志という理念について一言しなければなりません。なぜなら、人間の自由意志と自立についてのアルミニウス主義理念は偽りであるばかりでなく、宗教的には有害でさえあると確信するからです。それは、被造物と創造主との間の心の関係にもとるものであり、それこそ、人間と神との間の真の宗教関係を根底から覆すものであります。それは人間を人生と運命の究極的決定者とみなすものです。ひと言で言えば、アルミニウス主義の考えは、聖書が神に帰していることを、人間に帰しているのです。そしてそうすることによって、それは神の栄光と尊厳を傷つけ、人間に偽りの自己栄誉と自惚れを教えるのです。
 
もちろん、私たちはアルミニウス主義者たちの多くが、救われているキリスト信者であることを認めます。しかし、そうするのは、彼らがアルミニウス主義者であるにもかかわらずなのです。それは彼らが不徹底なアルミニウス主義者であって、彼らが一貫したアルミニウス主義の思想を持っているからではありません。
たとえば、人間の意志が全く自由独立であると信じるアルミニウス主義者たちも、それにもかかわらず、人の悔い改めのために神に祈ることをするのです。アルミニウス主義者の伝道者たちは言います。「神の手は縛られている。神は人間が決心するまでは、彼らを救うことは出来ないのである」と。そして、彼らは人々が真に悔い改めて、キリストを信じるようになるように、熱心に祈るのです。私たちはアルミニウス主義者の兄弟たちの信仰と証しを喜ぶのでありますが、しかし、同時に彼らがキリスト信者であるのは、彼らが幸いにも、不徹底なアルミニウス主義者であるからだと主張しなくてはなりません。
 
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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