小閑記

　　　小閑記

　　　　　　　　

  　祈り

 　祈るとは何をすることなのでしょうか。１１節の最後に「それは、すべてこのとにおいて、イエス・キリストを通して、神が栄光をお受けになるためです。栄光と力とが、世々限りなく神にありますように。アーメン」と書いてあります。神のキリストに栄光があるように、神様が本当に崇められるように、アーメンと言って、ペテロの手紙は終わるわけです。

　そこで、ペテロの手紙が示しうることは、いったい祈りとは何か、祈りの内容は何かということです。神の讃美、それに尽きます。キリストを讃美するすること、それこそが何よりも大きな祈りです。神に栄光がありますようにと言い、神が崇められるようになると言うことを、すべてに先立って祈り、願うのです。

　実は、考えてみますと、私どもの日常の祈りの中で、神様を讃美するということは、あまりしない。皆さんもそうだろうと思う。いろいろな生活上の悩みを訴えて祈る。自分のこと、家族のこと、気にかかる友人のために、心にかかることだから、一生懸命に祈り、願うのです。執り成しの祈りをするのです。

　けれども、そのすべてのことにおいて、「神様、どうぞあなたが崇められますように」と私どもは祈るだろうか。神が崇められることから始まり、そこに終わる祈りをしているだろうか。

　（加藤常昭著　ペテロⅠ　４：７～１１）

　　

 

                                                    

　３つのこと

　

われわれが、自分の信仰の生活をいろいろ考えて、こうも思い、ああも思うことは結構ですが、その最後に、われわれがどうしても忘れてならないことは、その信仰のすべては神がつくり、完成して下さるという、神に対する信頼であります。

　われわれは、信仰をもって神を信頼すると思っていますが、しかし、その信仰さえも、神が与えて下さるのであるし、神が完成して下さるという信頼がなければ、信仰の生活というものは、まことにあやふやなものになってくるのであります。

　そういう意味で、感謝するために、どんなに綿密な信仰の用意がされているのか…。ある人が、ここには３つのことがあると申しました。

　第１は、感謝するということ、第２は、祈るということ、第３は、信頼するということであり、この３つのことが、神に結びついているのである、と言うのであります。もし、その１つでも欠けるならば信仰が与えてくれる喜びを、本当に自分のものにすることは出来ないのであります。

　　（竹森満佐一著　講解説教　ピリピ１：３～１１）

 

　　　　　　　

 

これらの文章の転載は許可を得ております。　　　　上河原立雄撰