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その愛のゆえに
=時々の記=
(125)
7月16日
殺風景な我が家の庭に毎年決まって花を咲かせてくれるのが朝顔です。せめて、この夏の暑さにめげずに朝起きた時に朝顔の花から元気をもらうために、毎年五月に種をまきます。小さな種が二か月余りで、花を咲かせてくれるのですからその成長の速さに感謝するものです。今は、青紫、白、濃いピンクの三種類が入れ替わり、立ち代り花をつけています。残念なことに開いた花は午前中で萎れてしまいます。それでも花たちから清々しさと元気をもらうのが楽しみで朝一番に花を見に行きます。支柱は家の裏山の細いアマゴ竹を使っています。一本一本が太さが違いますし、曲がっているものもありますが、すべてが自然のものですからぴったりと似合っているように思います。鉢も昔ながらの土から作ったものです。プラスチックと違って暑さに強いといわれていますが、この暑さでは、朝、夕二回の水やりを欠かすことはできません。
庭の小さな野菜畑ではピーマン、ミニトマトが毎日、たくさん収穫できるようになり、楽しみです。ミニトマトは彩りを添えるのにとても便利な野菜です。
ピーマンは調理するのに手間がかかりますが、自分の家で採れたと思うと、いとおしく、毎日ピーマン、ミニトマトが食卓に出てきます。夏野菜の力強い恵みを頂いて、これから一層厳しくなってくる暑さを乗り切りたいものです。
7月23日
毎日、暑い日が続いています。こちらは、八月が近づいてくると、高齢者たちが競い合うように、家の周りの木の剪定をしたり、草刈り機で生い茂った草をきれいに刈り込んでいきます。みなさん、すでに70歳ははるかに超えておられますが、頑張っているのです。昔からの習慣で八月が来る前にそこいらをきれいに片づけておかなければという思いが強いのでしょう。主人もみなさんに刺激されて、今朝からは草刈りに励んでいました。これで蛇が近づきにくくなったかなとほっとしています。
曲終わるかに亡くなりぬ戻り梅雨。(高知教会からの信友が6月に急に召されました)。
薔薇散りて得も言われぬ香遺しけり。(同じ信友が召されたことをしのんで)
梅雨明けの青空永遠(とわ)の神秘とも。
朝散歩かさかさふめる竹落ち葉。
玉虫や望み確かに信じける。 馬場路哉
こうして、台所で座っていると、確かにコオロギが初めて鳴きました。裏山ではカナカナと寂しげに蝉が鳴き続けています。
8月2日
連日、猛暑が続いています。夕立もなく、農家さんたちは声をそろえて、一と雨ほしいな、と言っています。ちょっと油断していると農作物はあっという間に枯れてしまいますから。
過疎の村一隅灯る蓮の花。
老梅の枝天に伸ぶ茂りかな。
計画を主は成させけり送り梅雨。
梅雨明けや青空天の神秘とも。
月下美人全てに時の有りといふ。 馬場路哉
8月6日
昨夜は一晩モモのことを考えると居ても立っても居られません。藪の中に入ってしまったら足の弱いモモですから出てくることができません。野生のイノシシが必ず出てきますから、モモはきっと噛みちぎられて死んでしまっているに違いないと思うと、とても辛くなりました。息子が慰めてくれたのは、犬も苦しんで死んでいく姿を見せるのもつらいもんだから、きっとモモはその姿を見せまいとして隠れてしまったんだと思う、と。
役場からも何も連絡がありません。あきらめるしかないと思っていましたら、午前九時過ぎに電話が入りました。犬を探していませんか?と。黄色の首輪、青色のリード。モモに違いありません。親切な方でモモが田んぼに落ちて出てこられなくなっているのを発見してくれたようです。朝ご飯までしっかりいただいて無事に連れて帰ってきてくれました。首だけは水につかっていませんでしたが全身水につかっていたようです。左足が骨折しているのかパンパンに腫れて歩くことが思うようにいきません。獣医さんに電話して尋ねると、痛み止めと化のう止めで処理するしかありませんねと言われたのでモモは連れて行かないでお薬だけを頂きに行きました。少し痛みが和らいだのか落ち着いています。モモが帰ってきてくれてとても感謝でした。最後まで一緒だよと言い聞かせています。
8月11日
このような猛暑の中、空を見上げると、赤とんぼが群がって飛び交っていました。暦の上ではもう秋ですから。オリンピック、残念なのは山に囲まれた我が家のテレビはNHKがうつりにくいのです。アンテナが電波をうまく受け止められなくなっているようです。ラジオに耳を傾けている毎日です。
やや強き風に揺れもすラベンダー。
土用波もたらす風の山を越ゆ。
暑き日や神の忍耐説かれける。
師の詠みし野菊の蕾刈らでおく。
子ツバメの鳴き交わしをる気迫かな。 馬場路哉
ツバメたちは五羽だけを残して遠いフィリピンへ帰ってしまいました。
毎朝、電線に止まって挨拶を交わしていたので、さびしく感じます。
馬場暁美
「上野緑ヶ丘教会会員」
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」