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世田谷通信(156)
猫 草
ササと竹の違いって何だろう?と里山でササを刈りながら思う。スマホで調べたら、「英語でササはbamboo grass、竹はbamboo」と出てくる。うーん、結局どっちも「バンブー」ですか。
「竹も笹もイネ科タケ亜科に属する植物で、一般には、大型のものを『竹』、小型のものを『笹』と呼ぶ」ともある。サイズの違い?そういえば里山でせっせと刈っているアズマネザサ、1年で膝丈、数年放っておくと数メートルまで成長して、シノダケと言われるそうな。
もうちょっと調べると「成長するにつれて皮がはがれ落ち、茎の部分がツルツルしているのが『竹』、成長しても枯れるまで皮が残っているのが『笹』。」とある、おお、ちょっと植物学っぽくなってきた。とはいえ里山でみると皮が引っかかって微妙な状態のものも多い。見分けはつきにくい。
「茎の部分を利用したものは『竹』と呼び、葉っぱの部分を利用したものは『笹』と呼ばれる。」とも書いてある。これがなんだか一番しっくり。素材としてどう使いたいか、という話なんだな。呼ばれ方は切り出してきたあとのプロセスによる。「竹」細工にするか、「ササ」をまとめて土留めの粗朶として利用するかは状況による。或いは児童館が「七夕で使う」という時には、もちろん葉っぱ付きで提供する。
人里の身近にあって、適度な太さと長さがあり、まっすぐでしなやか。丈夫だが割ると空洞で加工しやすい。古来から利用されてきたのも納得がいく、便利な植物なんだなと思う。
しかし一度背丈ほどの藪になると厄介だから毎年大人数で刈る必要が出てくる。毎夏、外資系証券会社のボランティアの方が20人ほどもやってくる。本社は六本木ヒルズだそうな。普段は超高級オフィスのヒルズ族だが、今日はパソコンではなく鎌を存分にふるってもらう。メンバーは多国籍で半分は日本語が通じない。でもひたすら急斜面のササを刈ってくれる。彼らのランチは里山のど真ん中にピザのデリバリーである。なんだかピクニックみたいでお洒落だ。
こうやって手入れした斜面には翌年希少な金蘭やエビネ、ウラシマソウ、ホウチャクソウといった植物が群生するようになる。地方では荒廃した山林の管理が大変と聞くし、不在地主も多くて簡単には手が出せない中、鳥獣被害や土砂災害などの危険も増しているという話を耳にする。秋田出身の友人が「秋田の山はもっと荒々しいよ、クマいるし。こんなお綺麗な箱庭じゃなくてさ。」と笑っていた。確かに世田谷の里山は都会の小さなエアスポットのようなもの。それがこんな風に守られているんだな、と思う。
*この添付のイラストは小学生のころ絵を描くのが大好きな次男がパソコンのペイントツールで描いたものです。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」