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世田谷通信(159)
猫 草
昔から活字なら何でも好き嫌いなく読む方針だったが、一つだけ避けていたのはいわゆるハウツー本である。「あなたも~するだけで!」「~のコツ、教えます」「絶対~になれる~」みたいな題名と煽り広告の帯を見るだけで満腹感。手に取ったことのほとんどないジャンルだった。
ところが長男が「勉強のやり方ってなんだろう?」と言い出して、たくさん本を借りたり買ったりしてきたのだ。受験のど真ん中で今それを考えるのかとも思うが、納得しないとなかなか前に進めないので、そこは目をつぶることにする。
で、参考になりそう?面白い?と半信半疑で聞いてみると、みんないろんな事を言っており、共感できる部分もあるし、まあなかなか興味深いとのこと。私も試しにいくつか読むことにした。
さて、まず目次が魅力的。見出しの付け方が上手だなあと思う。本文も小分けにしてあって読みやすい。大事な箇所は色や太字で強調、項目別にテーマカラーを決めて構成してあったり、本全体のデザインが工夫満載である。
そうか、本って字が並んでいるだけの物ではなくて、こんなにバリエーションに富んだ表現ができるんだ、と気がつかされる。
昔007シリーズの作者が、純文学を書いている知人に、少なくとも私の書いているものはあなたのより読者に次のページをめくらせる力がある、とか言ったそうだが、読ませる努力ってあるんだな、と思う。
そもそも読者だって革新的、画期的なメソッドに胡散臭さを感じつつ手に取っているわけで、それをぐっと捉えて引き込む力は感じる。「3つのルール、これだけで!」とか言いつつ、3行で終わるわけもなく。革新的に始まっても、結論は意外と常識的なものだったりして。それでも最後まで引っ張る力はたいしたものだ。
勉強法について結論は出たのか長男に聞いてみると、「良さそうなのをいろいろ試して自分に合う方法を探せばいいよね」と。さらに、気分転換になるのでこれからもこの手の本は読むんだそうだ。狂信的になるでなく、嘘っぱちと決めつける訳でもない、美味しいとこ取り。なるほどそれぐらいの距離感がハウツー本との正しいつきあい方かもしれない。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」