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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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「あなたに聖書を」

「キリスト教百話」・・・51・・・

問21 キリスト教でいう「救い」とはどういうことでしょうか。・・6・・

答・・18 わたしたちが「死」を恐れるのは、死によって自分が失われ、自分がなくなってしまうと思うからです。死んでも失われない何かに継がれることが信じられれば、その失われない何かに託して死ぬことが出来るかもしれません。太平洋戦争において、若い学徒たちは戦場に駆り出され、自分の死を「悠久の大義に生きる」ことに位置付けて死んでいきました。「悠久」とは「変わりなく続く」ことであり、「大義」とは「究極の関係に生かすもの」のことと言ってよいでしょう。

 とにかく、そういうものに継がれることを信じることが出来なければ、自分の死はそれっきりで無に帰するしかないし、それではたまらないと思ったからでしょう。彼らだけでなく人はすべて死に対するなんらかの意義付けをしなくては死にきれないのではないかと思います。ただ、その場合、そのようにして意義付けをする自分が、どれほど確かな存在であるかという問題は依然として残ります。

 話が一足飛びにイエス・キリストの場合に移りますが、キリストは、十字架につけられて死ぬ直前「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになられたのですか」と叫ばれました。「わが神」というのは、自分にとって究極の存在であり、自分を超えて自分を位置づけ、意義あらしめるものです。そういう神から見捨てられるということは、自分というものの存在の一切の基盤を奪われることであり、耐え難いことです。

 「悠久の大義」についても、それが虚構であり幻想でしかないと分かったからなら、死ぬにも死ねないということになるでしょう。一人相撲を取っているに過ぎないことが分かることも、辛く耐え難いことですが、究極の拠り所としている相手から見捨てられるということは、絶望以外の何ものでもありません。親しい関係にあった人から見捨てられるようなことがあれば「どうして?」と問いかけます。それに対して答がなかったらどんなに辛いことでしょう。しかし、わたしたちは生まれて以来「わが神」と言えるような、神様との親しい関係の中に生きて来ていません。ですから、「神に見捨てられた」という関係の断絶事態は、体験のしようもありません。

 旧約聖書に中には、「死んだ」ことを「眠りについた」という表現で言い表していることがしばしばあります。考えてみれば、眠りから覚めるのが生きている証拠でありますから、眠ったまま覚めないことは死んだことになるわけです。そういう意味において「永眠」とは良く言ったものだと思います。では死んだあとはどうなるかというと、これについて何かを述べていることはほとんどないようです。それは当然のことです。ただし死後のことについての信仰や希望を語っている人はいます。

 例えば詩編23編の記者は次のように言っています。

 「主は御名にふさわしくわたしを正しい道に導かれる。死の陰の谷を行くときもわたしは災いを恐れない。あなたがわたしと共にいて下さる」。この人は、死後どうなって行くであろうかなどの推測はしていません。また、ヨブは次のように告白しています(ヨブ記19:25~26)。

 「わたしは知っている。わたしを贖う方は生きておられ、ついには塵の上に立たれるであろう。この皮膚が損なわれようとも、この身をもってわたしは神を仰ぎ見るであろう」。

 ヨブの場合も、死後の自分がどうなるかについての詳細は語っておりません。ただ確実なこととして言っていることは、自分が死んだ後も、仰ぎ見ることができる神様は生きておられるということであって、これは信仰によってのことです。

 「この人たちは皆、信仰を抱いて死にました」とヘブライ人への手紙の著者が述べているのは、以上のような人たちのことを総括してのことでありまして、死後の状況についての説明はしていません(11:23)。そういうことから言って、「死んだらどうなりますか」という問いに対しては、「神様がずっとついていてくださいます」という信仰に基づく答えをすれば良いし、それに尽きると思います。

篠田 潔

(日本基督教団隠退教師・元「キリストへの時間」協力委員・ラジオ説教者)

<2017年3月のラジオ放送予定>  

  3月 5日 田口博之   (日本基督教団名古屋教会牧師)

    12日 田口博之   (日本基督教団名古屋教会牧師)

    19日 高橋 潤   (日本基督教団中京教会牧師)

    26日 高橋 潤   (日本基督教団中京教会牧師)

         (放送開始1952年10月)

CBCラジオ「キリストへの時間」(1053KHZ

毎週日曜日朝6時30分~45分放送

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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
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富山大学経済学部経営法学科准教授
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木村 宰
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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
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定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
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「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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