2023年7月号
№193
号
通巻877号
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小閑記
ダビデの驕り
ダビデは国が栄えて来た時に人口調査をして、何万人が武装しているかと計算しました。ヨアブはダビデの命令で9ヶ月と20日かかって全国を調査し、剣を取り得る戦士はイスラエルに80万、ユダに50万あった。
ところが、この事件は聖書に2箇所書いてある。そして一見すると矛盾するように書かれてある。ことは重大である。歴代誌上21章1節に「サタンがイスラエルに対して立ち、イスラエルの人口を数えるようにダビデを誘った」とある。しかし、サムエル記下24章1節には「主の怒りが再びイスラエルに対して燃え上がった。主は、「イスラエルとユダの人口を数えよ」とダビデを誘われた。と書かれてある。
しばしば2つの節の間に矛盾があり、また変化があると言われてきた。
第1は、神が民を数える罪の創作者、発起人と見ている。後にこの不快な嫌な見解は、国勢調査をするように、ダビデを誘惑したのは悪魔であるという見解を導入することによって、和らげられたと申し立てられている。
たとえば、ノールトゼという学者は、その相違は2つ聖書の著作の年代の相違によって容易に説明できると言う。彼は悪の概念に2つの発達の段階があるという。サムエル記の神の概念が悪魔的、専横的からまだ浄化されない時代、段階をあらわしていると言う。神が正しい選択をするとは人はまだ考えていなかった。神は誤ってダビデを導いた。歴代誌においては悪魔が国勢調査の本当の創始者、主唱者と見られる、と言われている。
しかし、サムエル記と歴代誌の間に、よく見れば矛盾はない。
歴代誌における悪魔の誘惑は、悪魔的意図を示している。悪魔はダビデが王として支配している民の数について名誉と誇りをむさぼるようにかりたてた。国勢調査の軍事的面は非常に明らかである。如何に多くの戦士を持っているかを調査し、その多さに誇りとおごりを持っていた。ここでは、神が支配されるという意識は全くない。自覚もされていない。ダビデは悪魔の誘惑によって目がくらんでしまった。
その結果、ヨアブの反対にも係わらず(歴代誌上21:3~4)、ダビデは計画を実行した。そこまでは、誘惑の姿は明らかである。誘惑は悪魔に起源があり、悪魔から生じている。そして、悪魔とダビデの接点はダビデの野心と欲である。
サムエル記を読む時、神はダビデの野心を試そうとして、国勢調査を命じたのである。おごりに対する罰として国勢調査が命じられている。
なるほど、神の呪いはダビデの国勢調査において出現したことは確かである。だがしかし、これは裁きの方法によって、神の恵みの新しい啓示を導入することの神の手段であった。しかして、ダビデは罪の告白に導かれた。この告白の後、神の預言者が来て、3つの内の1つの裁きを選ぶように言った。
この決断に直面してダビデは言った。「大変な苦しみだ。主の御手にかかって倒れよう。主の慈悲は大きい。人間の手にはかかりたくない」(21:13)。彼は、敵に打ち負かされることを選ばなかった。神の直接の裁きを選んだ。イスラエルに疫病がもたらされた。恐ろしい破壊に現実に直面して、彼の後悔が裁きを終わらせるまで疫病は続いた。天使がエルサレムを破壊するために、天使が手を差し伸べた時、神は「もう十分だ、その手を下ろせ」と言われた。そして、祭壇がオルナンの脱穀場に立てられ、燔祭と感謝の献げ物がささげられた。
歴代誌とサムエル記の間の進化論的見解はない。神は悪を喜ばれることはない。また、誰をも悪に誘惑することはない。
(ベルカワー著「聖徒の堅忍」より)
これらの文章の転載は許可を得ております。 上河原立雄
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書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円