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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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解説 ウエストミンスター信仰告白 (56)

      岡田  稔著

   (元神戸改革派神学校校長)

第27章 礼典について・・・1・・・

1 礼典は、神が直接制定された(1)恵みの契約のきよいしるし、または印証であって(2)、キリストとその祝福とを表わし、キリストにあるわたしたちの権利を確認し(3)、また教会に属する者とこの世の他の者との間に見える区別をつけ(4)、かつまた神のみ言葉に従って、キリストにあって神への奉仕におごそかに彼らを従事させるためのものである(5)

  1 マタイ28:19コリント11:23
  2 ロマ4:11、創世
17:7,10
  3 コリント10:16コリント11:25,26ガラテヤ3:27
(*)
     *ガラテヤ3:17が正しい。

  4 ロマ15:8、出エジプト12:48、創世34:14
  5 ロマ6:3,4コリント
10:16,21

一 ここは礼典の定義とその目的を述べているところである。業の契約についても、礼典ということが考えられてはいるが、教会で普通に用いられている場合、礼典とは、恵みの契約の礼典を意味している。

 「しるし」や「印証」という言葉は、礼典の二つの意義を総括するものである。合理主義的な考え方をしている教派では、一般に、礼典を単なるしるしでしかないと考えている。しかし礼典は、聖書で神(キリスト)が直接的に命じられた式典であるという点に、その権威と効用の根拠がある。この点については三項を参照する必要がある。

 礼典の目的、また効用については、次の4点があげられている。

 1 キリストと彼の恵みの表象

 2 わたしたちの関心の強化

 3 教会員と未信者との区別

 4 信者を神に奉仕させる

 1が、しるしとしての意義であるが、キリストと彼の恵みと言われているのは、キリストの人格と事業、すなわち、仲保者とその救贖・執り成しとである。

 

2 すべての礼典には、しるしと表象されているものとの間に霊的関係または礼典的一致がある。それで、一方の名称と効果が、他方に帰せられることになる(1)

  1 創世17:10、マタイ26:27,28、テトス3:5

二 前項で「しるしと印証」と言われているように、外的行為(物質)とそれが表象している霊的本体(主イエス・キリストと彼の恵み)との間の関連は、単に、しるしと表象されるもの、という関係だけでなく、そこには霊的関連、礼典的一致と呼ばれる連なりが、実在しているのである。

 これを信じ主張するところに、合理主義的見解と改革派教会的見解との重大な相違があるのである。この連なりが、単にしるし―表象の関係以上のものであるとするところに、礼典信仰ともいうべきものが成立している。ところで、その「・・・以上のもの」を、どのように理解しているかが、ローマ・カトリック教会、ルーテル派に対する改革派教会の独自性が明瞭になってくる。わたしたちは、その連なりを、霊的であり、礼典的であると主張するのである。

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