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世田谷通信(168)
猫草
リタイア層、高齢者が多い里山ボランティアだが、時々企業や大学生が参加してくれる。若い人が来てくれると場が華やぐ。重い物を運んで貰ったり、硬い材を伐ったりもお願いできる。
ある外資系企業の社会貢献プログラムで来てくれる人に聞くと、年間で複数のボランティアメニューがあり仕事の都合と好きな内容を選んで参加するそうだ。選んだ理由は「子どもの頃にこういう近所の雑木林で遊んだことがある」「最近、自然に触れる機会がないと感じている」「日々の仕事にちょっと疲れ気味で自然に癒やされたい」といった声が多い。
大学生参加者にも幾つかの共通点がある。子ども時代に里山で遊んだ経験がある。親がボランティア活動に参加しており、楽しさと大変さを事前に見聞きしている。そして進路や大学生活などを模索中なのである。
若い人たちも森に癒やしを求めたり、日頃の鬱屈をリフレッシュしたい気持ちがあるのだろう。転地療法とか作業療法という活動もあるようだし。
お願いする作業はササ刈り、竹伐り、水草抜きなど。特に竹を伐ってからの一連の作業が面倒である。10m以上の高さの竹を伐って、斜面から広場まで運び、枝を落とす。枝はシュロ縄でしばって粗朶にし、斜面の土留めに使う。適当な太さの竹を菊割という鉄の道具で4~5本に割る。割った竹の節を落として、落葉溜めを作ったり、先端を鉈でV字に切って竹串にする作業もある。
若者、大活躍である。大学生参加者は近所の子なので小学生の頃から知っているが、昔の面影を残しつつ、頼りがいのある大人になっている。懐かしく不思議な感じがする。企業ボランティアには外国の方も多く、パワフルだ。力の要る部分は若い人にお任せで、高齢者は監督しつつ草刈り。良い光景である。
若い人たちの感想はみなさん「楽しかった」「久しぶりに体を使って労働した」と好評である。筋肉痛になるし、汗でベタベタ、蚊に刺されるし、草や泥で汚れる。半日だけだが、作業後の笑顔は皆さんとてもすっきりしている。
「また来たい」そう言って、実際に何度か来てくれる人もいる。たとえ忙しくて「次回」につながらなくても、里山経験者が増えていけばいいのである。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」