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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 バラ・マカルピン 日本伝道百年史・・10・・   

     水垣 清著

 (元中津川教会牧師・元「キリストへ時間」ラジオ説教者)

8 バラの伝道・・2・・

ここでちょっと日本人の国内伝道について記してみよう。

日本人の最初の伝道は、小川義綏、奥野昌綱氏などが明治6年10月に、上総、八王子、川越街道を凡そ20日に亘って伝道、聴集延八百人位あったということである(植村正久とその時代第三巻1頁)。

また横浜海岸教会のバラ先生の影響は大きく、明治7年夏7月には同教会有志の献金70円で青年学生8名が選ばれて近県に伝道した。東海道静岡方面には篠崎桂之助、押川方義、上総、房州方面には本多洋一、雨宮信成、江頭信太郎、野州日光方面には吉田信好、井深梶之介が向かった。他に別動隊として箱根宿に熊野雄七が赴いた。

バラ先生の伊豆地方の伝道について小出正吾氏の談によると

「当時外国人は居留地から20里以外への旅行を許されておりませんでしたが、箱根湖畔は範囲内でございました。日本橋から勘定いたしますと26里になるのですが、神奈川から勘定してくると、すれすれ20里以内に入りますから、許可なしに避暑に来ることができました。暑さを避けつつ其の寓居で伝道集会を行う。

明治7年(1874)夏の事でございましたが、その際、三島神社の神宮内海某と商人安井某とがわざわざ箱根をもぼって聴聞したと伝えられていますが、三島の住人で初めて新教の説教を聞いたのは、恐らく両氏であったと思われます。

此の伝道の結果、一ケ月余にして箱根町の白井三四郎、山中宿の津田政右衛門などがバラ博士から洗礼を受けて信徒となった(…中略)。

明治8年(9月)、バラ博士は青年伝道者伊藤藤吉と共に三島に下り伝馬松葉屋に投宿し同家で伝道集会を開こうとしたが、館主が承諾しなかったので、三島神社前のキリシタン禁制高札に提灯をかけて路傍説教を行なった。高札はすでに、明治6年撤去を命じられていたが、地方によってはその様に未だ残存しているところが多かったのである。

当時としては珍しいこの辻説教は全町を動かし、おびただしい群衆が集まった挙句の果ては問答となり、遂にはケンケンゴウゴウ外人打つべし、殺すべしなどと叫んで石が飛ぶ騒ぎとなった、と言う(バラ先生と伊豆伝道 5、6頁)。

幸い桔梗屋市兵衛こと、小出市兵衛は、バラ先生と伊藤伝道師を家の裏二階に三日間かくまってのち、早朝のまだ暗い内に二人を箱根へ送り返した、と言うことである。これが機縁となってバラ先生は三島での伝道には、市兵衛宅に宿泊され、明治1614日、三島教会が建設された時、この小出市兵衛氏も先生から受洗したと言う。

三島神社前の路傍伝道中、バラ先生に砂や石を投げたという青年沢田慶太郎も、箱根でバラ先生の私立小学校の教師となった後、入信して伝道師となり、明治18325日御殿場教会の主任者となった。

芦ノ湖畔、箱根を源流としてバラ先生の伝道地を辿ってみると、箱根より三島に向かう途中の山中部落で、明治10年頃バラ先生、伊藤藤吉伝道師によって伝道がなされた。この山中宿の津田政右衛門は、先に箱根でバラ先生から受洗した信徒であり、この宿の「津田大作氏が明治11年にバラ先生から受洗、横浜海岸教会員となり、自宅を開放して集会した」(御殿場教会史)。

 

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
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東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

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 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
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本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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