[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
世田谷通信(181)
猫草
夏休みの土曜日、次男と一緒に代々木まで出かけた。「ミダシナミクラブ」というイベントに参加するためだ。これは特別支援学校の先生達の発案によるもので、障害のある子ども達が自分の服装や身だしなみにどうやったら関心を持てるか、という授業の一環から始まったものだ。
電車や街中で、こんなことはないだろうか。ちょっと年齢にそぐわないキャラクターの服や小物を持っている人、Tシャツをズボンの中に全部入れている、逆に下着がちょっとはみ出している人。なんだか違和感があって、ちょっと観察しているとどうも障害のある方のようで、ああそうか仕方ないかなと思ってしまうこと。それは、家族や身近な人たちがちょっと気をつけてあげたら改善されるのではないか、本当は本人がかっこよくなりたい、周りに素敵と思われたい、と自覚すれば一番良いのではないか。
そこでプロのモデルさんやカメラマン、ファッション業界の方々に協力していただき、障害のある子どもとその保護者が参加するイベントが企画されたのだ。会場は代々木にあるホール。そこにはたくさんの服が並んでいるスペース、撮影用の白い幕のあるスペース、スタッフはモデルさんやスタイリストさん等の他に先生や保護者など有志がたくさんいる。受付後、名前を呼ばれ、子どもが自らたくさんの服からモデルさんと一緒にコーディネートする。小物の帽子やサングラス、靴も。そして着替えて白い幕の前でプロのカメラマンに撮影してもらうのだ。
服はシンプルな物が多いが、色が抑えてあるので、どう組み合わせても、びっくりするぐらいお洒落になる。かっこいいね、素敵だね、いいね!と声をかけられてシャッター音が響くうちに写真が苦手な子も、皆モデルのようにポーズを決めて笑顔になっていく。物怖じせず堂々としている。家族写真も撮影してくれる。皆が幸せそうに笑っていて、それは奇跡のような瞬間だった。
実は次男と電車で出かけるのは数年ぶり。行きは落ち着いていて、会場でも待つことができて、服も選んで、写真もスムーズ。かっこよくポーズを決めた我が子をみて、なんて夢のようなイベント、来て良かったと思った。この試みが長く、全国で、いえ世界で続き、拡がるといいのにと願う。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」