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世田谷通信(183)
猫草
多摩川上流、奥多摩湖にある小河内ダムに出かけた。なんでそんなところに?と言うと、最近、河川や用水に興味があり、古多摩川と国分寺崖線のボランティアガイドをする準備として知識を深めたかったのである。
さて電車で2時間。青梅を過ぎた辺りから周囲は完全に森林である。傾斜の急な針葉樹林、河川周辺の広葉樹林、混合林。街道添いの民家、谷間にのぞく集落。急峻な山道と渓流をながめつつ、ここ東京だよね?と思う。実は東京都の森林面積は6割。大半が奥多摩周辺にあり、水源涵養林として都心への水供給を支えている。青梅を扇の起点とする広大な扇状地、と地図上では理解していたものの、実際の地形を目にすると納得がいく。
小河内ダムは立派な観光地で、ダムカードも貰えるし、ダムカレーもある。カレーが「湖面」、ご飯が「堤体」を再現し、パスタにニンジンとコーンが刺さったのが「浮き」、サラダは周辺の「森林」を表している一品だった。
普段何気なく蛇口をひねれば出てくる「水道水」も、こんなに苦労してダムを造り、日々管理されて、はるばるとうちまで運ばれてくるのだ。森林保全も水源を守るために大切な仕事なんだとしみじみ思う。
帰路車内で「奥多摩―青梅区間はシカと衝突したため運転を見合わせています」の案内表示が。さっきまで乗っていた折り返し電車である。その後、ぶつかったのはニホンカモシカで、驚いたのか電車の下に潜り込んだので撤去に手間取り、復旧まで1時間以上かかったことが分かった。奥多摩あるあるなんだろうか。
立川から電車で多摩川を越える。もうここは広い川幅、ゆったり流れる、いつも目にする多摩川だ。対岸の南多摩に大きな崖があり露出した地層が車窓から見えた。何万年も前の歴史に少しだけ触れたような気がした。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」