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世田谷通信(191)
猫草
ウサギを数えるときに1羽2羽というのか、1匹2匹というのか。どちらもあり。ただし「羽」は食用、「匹」はペットとしてという違いがあるとか。
ウサギを鳥のように「羽」と数えるのは、かつて日本が獣肉食を禁じた時代に「獣を食べているんじゃないですよ、耳が鳥の羽みたいだし、鳥みたいなもん同列でしょ」という苦しい言い訳に由来するらしい。
というわけで、以下ウサギの数は「匹」で。前置きが長くなったが、現在うちにはウサギが3匹居る。1匹増えたのは学校で飼育されていた高齢ウサギを引き取ったから。どれぐらい高齢かというと、正確な生年月日不明でよくわからないが、獣医さんのカルテによれば推定12歳以上。人間にすると130歳を超える感じ。もともと学校には3匹いたのだが、残り1匹となり、白内障と筋力の低下が著しく、学校での飼育が難しくなった。
家に来てから数ヶ月、少しずつ衰えていくのは仕方ない、それでもちょっと回復している所もある。汚れから来る手足の炎症が治って新しいふかふかの毛が生えてきた。
長寿の秘訣は旺盛な食欲である。出されたものは何でも食べる。目の前にあるものは完食する。ただし食べてはいけないものは残す賢さもある。私が採ってきたタンポポやハルノノゲシなどの野草の中にアジサイの葉が一枚混ざっていた。それには手をつけなかった。毒性があるのにしまった!と思うのと、さすが野生の本能は健在、とほっとするのが同時だった。
それがとうとう食べられなくなった。もうお別れだと思った。強制給餌は前のウサギの時に辛かったので嫌だった。大好きな草を前にしても咀嚼できないウサギをみて、最後かなと思って抱っこした。しばらく背中をなでて、ケージに戻そうとしたとき、大量のおしっこが出た。いつもの半透明なのではなく、灰色でザラザラの砂が大量に混ざっている。
翌日獣医さんに連れて行ってこの話をすると、膀胱に溜まっていた老廃物が抱っこされて揺られうまく出たのでしょう、それは良かった!と言われた。流動食をぺろりとカップ1杯食べておかわりを要求した。老廃物が出て、栄養が行き渡り、復活したのだ。まだまだ行ける。生きられる。生きものは道を見つけるのだ。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」