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世田谷通信(193)
猫草
直径30センチほどの小さな睡蓮鉢に4匹のメダカが泳いでいる。水草が茂ってよく見えないが、長生きしているところをみると、ちょうどよい密度なのではないかと思う。ちらっと見える姿は、丸々太っている。お向かいの家にもおそろいで買った同じ睡蓮鉢があるのだが、あちらは満員電車なみの過密さ。メダカのサイズも小さいように見える。
多頭飼育の崩壊現場は辛すぎて直視できない。ニュースなどで取り上げられるたびに目を背けてしまう。自分が人混みは苦手だし、ある程度の広さ、自分で自由にできる空間がないと文字通り息が詰まる。
うちのウサギ達は小型犬用のケージ2個とウサギケージ2個をくっつけて自由に移動できるようにしている。奥はトイレスペース、センター2室はそれぞれの寝場所、手前がリビングダイニングという感じで使い分けているらしい。3LDK、贅沢なものだ。
先日、上野にある国際こども図書館に行った。その昔は帝国図書館だったという。ルネサンス風建築の堂々たる文化財級の本館とアーチを描く新館からなる優美な建物だ。コレクションは児童書だけで40万冊。ゆったりした棚に高い天井、精巧な彫刻の施された柱、そこに並ぶ完璧な分類の児童書の数々。ため息しかでない。ホコリをかぶっていたり、奥に入っていたり、ましてや横倒しなんて一切ない。これでも司書の端くれなので、これを維持管理しているのが、どれほどの労力と知識に支えられているのかは、理解できる。秩序ってこういうことだよね。これだけ細かく分類ラベルを貼ればきちんと配架できる、でも真似できません。日々、小学生達がてんでバラバラに手にとって消耗していく学校図書館、読まれて壊れてなんぼの世界とは違う。
それにしても棚に余裕のあること。本を並べるのは両端から1/3程度に留め、中央のスペースは表紙を見せている。いかにも美しい。手に取りたくなる書棚。これは真似できるかもしれない。がんばろう。
モノや人の密度と、それにふさわしいだけの広さ、空間。それは人工物、自然の世界いずれにも、快適さに通じる方程式があるのだ、きっと。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」