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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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世田谷通信(194

猫草

 

 高齢の学校ウサギを預かっていることを書いた。しかし夏の暑さに耐えられず、8月に息をひきとった。

その日は午前中から気温30℃を超す暑い日だった。獣医さんに連れて行くと「顔色が悪いですね」と言われた。ウサギの顔色って何?と思ったが、確かにいつも薄ピンクの鼻周辺は青ざめている。温かかった足先も冷えている。心肺機能が弱っているのだ。

それでも流動食をシリンジ1本分平らげ、頭を上げておかわりを要求した。「動物病院はおいしいものが貰える場所なの?」と獣医さんと笑った。診察が終わり、いつもは「まだ大丈夫、次の診察まで頑張ろう」と声をかけてくださる獣医さんが、「今日、職員室に挨拶に行ってきたらどうですか?」と言った。その時、ああ、もう長くない、と思った。

そのまま学校に行き、夏休み中に出勤している先生方と修学旅行前に登校していた6年生にウサギを会わせた。痩せて、かぼそく呼吸する状態に涙ぐむ子もいたが、みんなそっと体をなでて「ありがとう、よく頑張ったね、さよならだね」と声をかけてくれた。6年生は12歳、ウサギと同じ年なのだ。

一人の子に「お薬をあげてみますか?」と聞くと「はい、やってみたいです」と言うのでシリンジで少し薬を飲ませた。先生が2cmほどの小さな葉っぱを「食べるかな?」と差し出すと、ゆっくりゆっくり咀嚼して飲み込んだ。それが最後に食べた固形物だった。その日の夕方、眠るように静かに呼吸が止まった。

預かってから約半年、獣医さんとどう治療するか相談した。そして「最期の日までお腹いっぱい食べて、痛いところも苦しいことも無いようにして、できればみんなで看取りましょう」と言ったとおりになった。

獣医さんに電話で報告すると、「最後に学校ウサギとしての仕事をしてさすがですね。長い間お疲れさまと伝えてください」と言われた。

折しも東京で今年初の真夏日を観測した日だった。

看取るために引き取った。別れが前提なのに、空虚さがつのる。寂しさが、それまで存在していた場所を通り抜けていく。小さな命だが、多くの人に愛された。さようなら。安らかに。

元気なころの写真です。

「追記」

世田谷と言っても我が家は幸いにも、特に被害はなかったけど、各地の被害が甚大です。多摩川が浸水した辺りは元々河川敷です。バスで通るたびに、そこ、昔の堤防の下なんだけど・・って思ってた。多摩川が氾濫するなんて想定外と言っているけれど、それはごく最近の話だけで、もともと大変な暴れ川。関東平野は多摩川の扇状地だ。日本は山国、平野と言われるところは扇状地と埋め立て地。そのわずかな平地(空地)に農地と集落が出来ていた。それが今の日本の成り立ち。近年、下水、上水、雨水、河川、ダム、諸々のインフラの想定する数値がもう限界にきている。分かってる。それでもなんとかやっていかなくてはいけない。日本で人の住める平らな場所は扇状地か沿岸部の埋め立て地しかないんだもの。

二次災害、感染症の被害が拡大しませんように。気温が低いのは辛い部分もあるけど、暑かったらもっと悪化している・・。

これからは毎年の事になると思う。でも抜本的な対策はとれない。本当に治山治水は難しい。

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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
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定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
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