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世田谷通信(197)
猫草
英語を使わなくなって久しい。いや違う。一度もきちんと英語が話せたことはない。苦手で、克服したい気持ちもあり、でも向き合ってこなかった。授業として英語を学んでいたのは何年前だろう。もう単語も文法も思い出せない。
里山農園というのが近所にあり、集まったボランティアの方々と畑を耕したり雑草をとったりしていた。農園オープンから日が浅く、ほとんど初対面。ふと隣の方が半ズボンで、草むらにいるのが気になった。虫刺されや引っかき傷、鎌も使うので危ない。休憩の時、「長いズボンの方が良いですよ~」と声をかけた。よく見たら欧米の方だが、簡単な日本語は理解できるだろうと思っていた。すると「すみません、日本語はわかりません」と英語で言われたと思う。
じゃあ英語で、と思ってみたものの、頭が真っ白になるとはこのこと。脳内のどこにも英語がない。ええと、長ズボンはロングパンツか。虫刺され・・虫はバグ?いやインセクト・・?刺すって英語で何でしたっけ。幼稚園児並の語彙力だ。
そんなわけで英会話はあきらめたが、それでも少しコミュニケーションがとれたのが、サツマイモ料理の話題。あちらは茹でて潰してバターと砂糖と生クリームと混ぜてオーブンで焼いてパイにするという。それは絶対美味しいね、カロリーは相当高そうだが。日本ではどうするの?と聞かれて、煮る、揚げる、蒸す、焼く・・かなあ。そうだジャパニーズスイートポテトと言えば石焼き芋!中でも安納芋は甘くてほくほくで美味しいよ、と言いたかったが英単語がでなかった。でも「これね!」とスマホで石焼き芋の画像を見せたら分かって貰えた。英語力より主婦力。画像は言葉のカベを超える。まあそれでなんとかやっていける。できないことが多くなりすぎて、今更英語力のなさを気にしても仕方ない。図太くなるというのは、若い頃のような「あれもできない、これも足りない」焦燥感がなくなることなのかもしれない。
かつて子どもの頃に周囲の大人を見て「どうして粗野で無知で矛盾だらけなのに図々しく、あんなに偉そうなんだろう?」と思った。そんな存在にならないようにせめて無知の知を自覚して、謙虚でいよう。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」