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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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バラ・マカルピン 日本伝道百年史・・32・・   

     水垣 清著

 (元中津川教会牧師・元「キリストへの時間」ラジオ説教者)

 

14 愛児の死

 

1907年(明治41)はREマカルピン師にとって悲痛な出来事の年であった。

『1907年6月7日の聖日、早朝自転車で12哩の瀬戸まで行き、午前中は教会の説教、午後は路傍伝道説教、そして夕拝の説教を終えて月明かりの中を家路についた。山積みになった手紙の中に病気中の私たちの息子クリスビーについての1通の手紙があった。それは、彼は長く生きられないであろうという文面であった。クリスビーは結核のため一年間治療をして、一時は回復の徴候を見せたのだが、冬の間に恐ろしい病気が彼の内臓を犯し、最早すべての望みは消えようとしている、と言うことであった。私たちの思いはノースカロライナ州トリヨンの病院に横たわる彼のところに向けられ、唯、「主の御こころのままに」と祈るよりほかにありませんでした。

次の日から彼へ、また彼についての手紙を書くことで一杯でした。それは最早私たちが彼のところに赴いても間に合わないと思ったからです。そして6月21日の夜明け、昨夜の激しい暴風雨がすっかり晴れ上がった美しい聖日、私たちは朝の祈りを終えると、「電報」と言う呼び声を耳にしました。そして私たちは外電のメッセージ「クリスビー シス イーブリン」に、こうなることの心の準備はしていたものの、矢張り私たちの感情は悲しみの淵に打ちひしがれてしまいました。

朝の礼拝中、冷静を保っていましたが、日本の方々の悔やみの言葉を受けると共に、私の心は悲しみで一杯になり、すっかり取り乱してしまい、大変後悔いたしました。それは、こうした場合、涙を見せぬ東洋人に対して自分の弱さを現わしたと思ったからです』。(マカルピン回想録)

 

愛する息子クリスビーの最後にも、祈ってやれなかった父としてのマカルピン師の胸中は、遠く異郷の地日本に宣教師として奉仕する者の負わなければならない十字架であった。現在なら飛行機で飛んで駆けつけることができたでしょうに・・・。

6月27日、バラ先生は、アメリカから帰っての夏、神山に避暑しながら例のように伊豆の地に伝道旅行をした。御殿場神山から10月13日には東北仙台へと飛び、元気に活動された。続いて、同月南信州伊那谷の坂下教会へ稲垣 信教師と同行、4人に洗礼を授けた。まことに、すさまじい伝道精神である。

さらに11月15日 には、萬国日曜学校同盟会の教育部長・哲学博士ハミル氏が日本に来て講演会を持たれ、そのための歓迎会が同日夕方7時半から横浜メソジスト教会で開催された。バラ先生は、在日宣教師を代表して歓迎の辞を述べられた。日本宣教46年、時に75歳のバラ先生の美しい白鬚(しゆ)は、先生の伝道の生涯を物語って余りある輝きを放っていた。

 

 

 

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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