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『その愛のゆえに』
=時々の記=
(170)
4月16日
久しぶりに、お布団を干してみました。きっとお日様の恵みをいっぱいに吸収してふっくらとなることでしょう。この時期は紫色のモクレンが花を咲かせて楽しませてくれるのですが、今年はなぜか一つも咲かないうちに若葉が芽吹きだしています。今、お花が人々の心を癒してくれているそうですね。鉢植え一つ。小さな花束一つ。あるだけでほっとするのです。山並みを見渡すと、ミヤマつつじが薄紫色の花を咲かせ始めています。
庭梅や宮城まり子の愛でし色。
若きらの捨てたる村や桃の花。
降りていく原始林なる藤の花。(藤の花もさきはじめました。)
山中の白れん別荘跡地なる。
布引に並ぶ風車や春霞。 馬塲路哉
菜の花畑に入日薄れ見渡す山の端霞ふかし。この唱歌がぴったりの季節になってきました。どこかかすんで見える大空です。
4月25日
朝からの寒さが打って変わってとても気持ちの良い暖かい一日となりました。洗濯物もよく乾き、うれしい一日となりました。これだけ医学が進歩してきているというのに、医療に従事されている方たちが次々と感染されていきます。医療崩壊が起こっているというのですからとても不安です。医者の主人の弟は、検査をしていないからわからないだけでひょっとしたら自分も感染しているかもしれない、という恐怖にさらされながら毎日多くの患者さんと向き合っているというのです。まさに命懸けの医療です。
その医療に従事されている方たちのご労苦をねぎらうために大阪や兵庫では夜になるとブルーの光を照らしてありがとうの気持ちを伝えているというのです。感謝の気持ちを忘れないで過ごしたいと切に思うこの頃です。
東門に庭梅匂ふ明かな。
奥伊賀の雑木山なる山桜。
過疎進み深緑なす春の川。
平家むら急峻にして春日影。
数多散り咲き続けをる山椿。 馬塲路哉
週末には例年ならば、タケノコ堀や山菜摘みに大阪の方からたくさんの方たちがやってくるのですが、今年はとても静かです。
4月29日
今日は午後から23度にもなりました。一気に初夏の気配です。今までストーブが必要だった台所も、窓を開け放って自然の空気を入れ込んでいます。暑くなったらコロナも勢いをなくするのでは?と淡い思いでいます。
川浪の白く立ちもし夏めきぬ。
強き意思ふと思ひけるハナズオウ。(ピンク色をした小さな米粒のような花です。)
花屑と戯れてをる金魚たち。
青鷺の過ぐるや近く巣のあらむ。
水温むみどり児ちょっと手を入れぬ。 馬塲路哉
ツバメたちがこの暖かさに大喜びしています。空中を全速力で旋回しています。すぐそばを飛ぶのを見ていたら、風圧を感じるのです。
5月7日
今朝はとてもすがすがしく気持ちの良い一日となりそうです。まだ寒さが残るそうですが、冬にお世話になったたくさんの毛布たちを洗いました。毛布といってもすべて化繊ですから、洗っても縮みませんし、すぐに乾きます。洗濯機が絞るところまでしてくれます。とても便利になりました。
渕緑川浪白く夏めきぬ。
たけのこや猪の見落とし一つだけ。
旧道をすこし歩きぬしゃがの花。
初ツバメ古巣に入りて声高し。
柴モクレン一人の翁過りけり。 馬塲路哉
主人はリハビリに出かけています。燕に赤ちゃんがうまれて、黄色いくちばしを開けてピーピーと鳴き声を出しています。
馬場暁美
「上野緑ヶ丘教会会員」
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」