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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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十戒と主の祈り・・・・・・         鈴木英昭著

 

        (元日本キリスト改革派名古屋教会牧師)

=盗み=

  

  第八戒②・不正な秤

      申命記25:13~16、マタイ6:19~24

 

 この申命記25章の禁止命令は、穀物などを仕入れるときには、大きな升やおもい重りを使い、その反対に売るときには小さな升や軽い重りを使って、その差から不正な利益を上がるということを禁止しているのです。これらは明らかな盗みです。

 申命記の23章20~21節に、利子に関してこういう戒めがあります。「同胞には利子をつけてはならない。銀の利子も、食物の利子も、その他利子が付くいかなるものの利子も付けてはならない。外国人には利子を付けて貸しても良いが、同胞には利子を付けて貸してはならない。それは、あなたが入って得る土地で、あなたの神、主があなたの手の働きすべてに祝福を与えるためである」。

 よく言われることですが、宗教改革時代までは、利子ということに対して、社会は否定的でした。それは、こうした聖書の言葉からきていました。しかし、カルヴァンの努力で、借金についての聖書解釈に光が与えられることになりました。借金によって仕事をして利益を得る場合、その借金に対して利子を払うのは当然だという考え方です。しかし、貧しい人々が生活のために借金することと区別されなければならないということです。更に、もう一つの一般的な原則を考慮する必要があります。それは旧約時代のイスラエルは、宗教と政治とが一つになった神権政治のもとにあり、神が自身への守りを保証してくださっていましたから、利子というものを考える必要がありませんでした。

 現代ではむしろ借りたものを返さないという問題、不良債権があります。また、公的な資金の融資を受けて、返済が不能になり、国民が税金として払うことを余儀なくされるという問題があります。これらもみな盗みです。

 そして、自分に与えられている神からの賜物を用いない怠惰ということも盗みになります。ウエストミンスター大教理問答問142問の答えは第八戒の禁止の内容が多くあり、その最後のところに、「・・・神が与えてくださった状態を・・・正当に用いず慰めとしないこと」が盗みとされています。自分の状態に不満を抱いて努力しないことが盗みです。

 さらに、主イエスの山上の説教は、神と富とに兼ね仕えることができないことを教えています。富が目的になると、富は神のようになってしまうからです。蓄えることは良いことです。それは目的でなく手段です。将来のため、子供たちのため、不慮の出来事、老後などのためです。しかし、目的となると守銭奴やケチという盗みになります。

 この反対に贅沢も盗みの一つです。浪費だからです。そして、信仰者はそのすべての所有の管理を、神から任されていますから、任されているものを良く管理しないということが、神のものを盗んでいることになります。逆に言えば、私たちは誰でも賜物の良き管理人となるように召されています。

 

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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