2023年7月号
№193
号
通巻877号
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松田重雄が観た「切支丹燈籠の世界」(8)
「切支丹灯籠への思い」(7)
「あなた方に言うが、もしこの人たちが黙れば、石が叫ぶであろう」(ルカ19:40)
神は「光あれ」と言われた。すると光があった。(創世記1:3)
キリシタン燈籠の存在には多くの謎があります。迫害下あった当時、このような礼拝物を考案した人たちが、その由来・製作依頼人を書き残せる時代ではなかったからでしょう。そうであるために、信徒の心から心へとその意味を伝えた想像できます。また、潜伏信徒の動向については歴史の空白部分でもあります。
歴史に登場するのは、明治維新に条約改定のために岩倉特命全権大使が、ヨーロッパ各国を回った時でした。慶応4年浦上信徒約3000人が捕らえられ、改宗を強要され、迫害を受けている事件について、欧州各国より強い非難を受けました。そのため一行の中の伊藤博文は、日本政府に至急信教の自由を布告するように強く要請したとされています。日本人の中には、「信教の自由」という「基本的人権」が育ってはいなく、外圧によったものでありました。
しかし、理由はどうであれキリスト教の禁止令撤廃が公布されました。時の政府は諸藩知事に命じ、各藩の不浄蔵に管理されている切支丹・不受不施派・黒住教に関する記録文書を全て焼却させました。不浄蔵とは禁教関係の文書記録を収めていた蔵の別名です。
文書に関していえば、潜伏信徒たちの動静等を文書に残し、万一にもそれが奉行などの目にふれるならば弾圧・迫害の機を与えます。当時、在日していた神父の責任者は、ローマに報告する義務がありました。この報告書は同じものを2~3通作成し、数回に分けて送っていたといわれています。それは交通の不便な時代の知恵であると同時に、何らかの理由で信徒の氏名等の秘密事項の知られることを恐れて正確なものは書き送られていないのです。そのために今日に至るまで潜伏切支丹の資料が乏しく暗中模索と言えます。そのような中での切支丹燈籠の存在た貴重な資料となりました。
松田氏はその切支丹灯籠を幾つかに分類していますので、松田氏の分類をご紹介いたいましょう。
1 創造時代型 2 迷彩時代型 3 偽装時代型 4 無刻時代型です。
1 創造時代型
制作年代=文禄、慶長、元和、江戸初期に至る。
竿 型=十字架型、ギリシャ・クルス型が多い。
丸 味=竿の上部に宇宙を表現した丸味がある。
尊 像=南蛮風俗の美しい八頭身型のものが多い。後期のものは7~6頭身となる。
足 型=長い足首を露出し、八の字開きで上履きを履き甲は太い。
面 取=竿の面取りのものが多い。
基 壇=竿の下部を荒加工して基壇として埋めている。
庶民信仰=キリ シタン灯籠には関係なく、古キリシタン信徒の中には祇園信仰と結びつくものもある。
庶民信仰=キリ シタン灯籠には関係なく、古キリシタン信徒の中には祇園信仰と結びつくものもある。
創造時代型の文様は裏文字で、信徒たちのかくし文字と言われています。この文様を裏返しにしてみるとPATRI(ラテン語)のパートリーは「父」を意味しています。尊像はキリストを象徴し、燈籠の竿は父・キリスト(子)・聖霊を象徴し、キリスト教の三位一体を表しているとされています。
平安時代の木造建築の美しさは、柱の面取りにあるといわれています。この作風を模したものでしょうか。また、基壇を土の中に埋めて立てると竿は十字架形にもなります。
=記=
「…」内の文章等は、松田重雄著「切支丹燈籠の謎・研究」(同信社)からの参考・引用です。また、ご子息の松田章義氏の賛同をいただいております。インターネットで「キリシタン燈籠」を検索して参考になさることをお薦めいたします。
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円