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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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世田谷通信(206

猫草

 

前々から被害拡大の話は聞いていたが、ついに来た。カシノナガキクイムシという5mmほどの害虫である。林野庁によると「平成30年度の全国のナラ枯れ被害量は、前年度より減少し、約45千立方メートルとなりました。」ってさっぱり広さの実感がない。東京ドーム何個分か。神宮球場なら実感がわくのに。それはさておき、グラフをみると平成12年から被害が拡大し、ピークは平成22年の32.5万立方メートル。いまは減少傾向にあるので、対策は有効ということだろう。

さてこの通称カシナガ。全国で猛威をふるってナラやカシの森をまるごと枯らす。大径木が好みで、幹に無数の穴をあけて中に侵入する。木の中にアリの巣のように大量の卵を産み付け、幼虫が木の内部を食い荒らす。水を吸えない木は枯れ、夏だというのに真っ赤な葉となりやがて枯れる。やっかいなのは単に食い荒らすだけではなく、ナラ菌というカビの仲間を運ぶ。つまり伝染病を媒介している点だ。わざわざ雌の背中には菌を運ぶ穴が開いている。確信犯だ。この菌のせいで木質部がスカスカになる。森ごと立ち枯れ多発、やがて倒木となると被害は甚大だ。

成城の里山でも、数本の木に沢山の穴、そしてフラスとよばれる大量の木くずを発見。カシナガが内部に侵入した証拠だ。狙われたのは80年以上の古木、弱っている木で遊歩道近くなので心配である。

カシナガが本領を発揮するのは翌年の梅雨前だ。木の中ですくすく育った何万という幼虫が成虫になり次のターゲットを求めて一斉に飛び立つ。特に被害にあうのは近くの特定の古木に集中するらしい。これをマスアタックと呼ぶ。

ここまでわかっているのだから対策もある。薬、伐倒、フェロモンのおとりなどの方法が試されている。殺虫剤は木へのダメージがあるし他の希少種も死んでしまう。伐るにしても伐った後の木は食い荒らされ材として使えない。

というわけでトラップだ!ということになった。今回は簡単にクリアファイルを使った。品定め中のカシナガが幹の周囲を旋回する習性を利用し、幹にクリアファイルを貼ってその下に洗剤入りの水を貯め、衝突させて水に落として駆除、というシンプルな作戦だ。毎週トラップの回収をする手間もあるが、毎回数百もかかっているとちょっと嬉しい。しかしたとえカシナガをやり過ごしても、クビアカツヤカミキリや新種の菌や伝染病は発生するだろう。ヒトだけではなく、植物も、動物や昆虫も新たな脅威と戦っている。目に見えない菌の世界でも新旧の戦いがある

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

      d6b7b262.jpg
教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「あとがき」より
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 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
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おすすめ本
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鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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