2023年7月号
№193
号
通巻877号
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…キリスト教…
社会福祉活動のあゆみ(15)
修道院の貧しい人々への救済(1)
修道院生活(1)
プロテスタント教会や信徒にとって理解できない世界の一つに修道院があります。しかし、その役割と働きは後の社会と歴史に大きな影響を及ぼしていますので、軽視することは出来ません。
一般的には、修道院生活の起源は、原始キリスト教会と言われる時代の信徒の修徳生活であったと言われています。最初の信徒たちは、使徒言行録(4:32~35)にあるように、自分の財産を差し出して、キリストの勧告・教えを守って、貧しく暮らしつつ、祈りと働きの共同生活を営んだことが始まりとするなら、これが修道院生活の前身と言えます。
キリストは、ご自身、一般の人々に悔い改めを説き、救霊の道を教えましたが、ある人々に対しては特別の方法、清貧と貞潔と従順とを守るように勧告もしています。パウロによれば、独身生活はより優れた生活ではあるが、それは義務ではないとも言っています。
「思い煩わないで欲しい。独身の男は、どうすれば主に喜ばれるかと、主のことに心を遣いますが、結婚している男は、どうすれば妻に喜ばれかと、世の事に心を遣い、心が二つに分かれてしまいます。独身の女や未婚の女は、体も霊も聖なる者になろうとして、主のことに心を遣いますが、結婚している女は、どうすれば夫に喜ばれるかと、世の事に心を遣います。このようにわたしが言うのは、あなたがたのためを思ってのことで、決してあなたがたを束縛するためではなく、品位のある生活をさせて、ひたすら主に仕えさせるためなのです」。
ここから、修道者は結局パウロのこの「ひたすら主に仕える」ことが出来るようにするため、家族の義務のために心が2つに分かれない人々と言うことが出来ます。しかし、教会の教えによっても、また、実際の例からも、修道院生活をしなくても、世間において真にキリスト教的に送ることは出来ます。ただ世の中では、種々の事情のために、これが割合に難しいけれども、その点、修道院生活のため特別の組織と施設を持っている修道院生活では、一層容易にこの理想と目的を達成できると言うことです。
それは、たとえば独学でも学問や芸術を深く追求する者のために、そのための特に設立されて専門の大学に入って研究するならば、特別の組織と設備があることによって、より一層学問や芸術を習得することが出来るということと同じ理由です。しかし、こういう専門の大学に行く者が皆優秀な学者、或いは芸術家になるとは限りません。それと同じように、たとえ修徳専門の大学ともいうべき修道院に入っても、それだけで皆真の信仰的完成に達するとは限らないのも同様です。
初代教会の300年の間は、多くの信者が個人的に独身生活や清貧の生活を守っていたけれども、後の修道院生活の形は、3世紀の最後の10年代までは出現していなかったようです。教会が公に認められて、信仰が自由になった時、キリスト教的生活が大衆的になると同時に、平凡・安易なものになってしまいました。
その結果、もっと自己の全生活を瞑想と祈祷に捧げて、より高い理想を求める信者は、この世から遠く離れてエジプトの砂漠などに隠遁生活をするようになりました。このような隠遁生活を模倣する信者が、最初はシリヤやその他の東方の諸地方に多く現れてきました。しかし、仲間や世間との接触を全く遮断して独りで生活すると言うことは、実際には困難なもので、単純な動機や思い付きの一般信者の力では不可能なものでした。
そのために、社会的交渉に対する自然の人間的要求から、段々と隠遁者を最初は小さな集団に、それからより大きな共同社会、すなわち、修道院生活へと移行・結集されていきました。また、信仰、人格的な徳に優れた隠遁者の周囲に弟子が集まってきて、自然にそこに共同の生活が生まれたと言うことも考えられます。
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緑を大切に!
書籍紹介
エネルギー技術の
社会意思決定
日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授
「本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
共著者・編者
鈴木達治郎
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
(財)電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
(財)電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント
スーザン・ハント
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
鈴木英昭著
「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円