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世田谷通信(207)
猫草
かつて運動会は秋の行事で、体育の日は10月10日だった。それは東京オリンピックにちなんでいたはず。だが連休を取りやすくするため月曜に移動し。なるほど、と納得しかけたところで、名称が変わって「スポーツの日」、7月に移動して終わっていた。10月に休みがなかったのはそのせいか。来年はまた10月に戻ると。もう変更が多すぎて把握できない。
しかし最近の10月は雨が多い。ひとたび台風が発生すれば大型、長期化して悪天候が続く。といって9月までは運動するのが危険な猛暑。学校も1学期に行事があったほうがクラスをまとめやすい等々から5月に運動会を実施する学校が増えたのだ。それが休校で、やっと再開した1学期は学校も手探り。一つ一つできることを積み重ね、試行錯誤を続けた。夏休みを経て2学期がスタートし、世田谷を含め秋の運動会を決めた学校が多かった。今年は感染拡大防止のため、様々な工夫が凝らされている。まずプログラムが短縮され午前のみ。競技も組み体操など児童がくっついて行うものはなし。となるとできるのは徒競走、あとは距離を空けたダンス。保護者の参観も児童1人に1人限定。もちろんマスクに消毒に検温。声援は控えめ、静かに見守り、自分の子どもの学年が終わったら速やかに帰る。学年別に曜日や時間を分けた学校もあるようだ。こうなると体育の授業参観に近い。従来に比べるとあっさりしたものだが、お弁当づくりの手間がなく母親には好評のようだ。
運動会を1日かけた大イベントと張り切る人もいる。朝から場所取りのレジャーシートを敷いて、ビデオで必死にいい位置から子どもの姿を撮影し、昼は家族でお弁当を食べて過ごす、そういう運動会を期待した人は寂しいと感じるだろう。でもプログラムの準備や長時間の練習は負担が大きかったのも事実。運動や団体行動が苦手、いつもと違うことを苦痛と思っていた人もたくさんいるはずだ。どちらが良いとか悪いでもない。来年はどうなるのか誰にもわからない。とにかくできることを慎重にやる。
手作業がしたくなって久しぶりに編み物を始めた。編み棒を黙々と動かす時間も良い。網目はガタガタだが、やり方は手が覚えていた。古くなったタオルを雑巾にして、サッシにたまった汚れを掃除してみた。気が付くと昔から母や祖母がやっていたことをなぞっていた。庭の雑草が気になって抜いたら、思いがけない場所にシソとミツバが増えていた。なんだかご褒美のようにうれしくなった。来年もそんな小さい「嬉しい」を重ねていこう。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」