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「キリスト教百話」
問30 「キリスト教を信じたら、どんな良いことがあるのでしょうか」
答・・4・・
考えてみますと、日本の文化は、異質的なものとの出会いによって、新しい局面を展開しました。仏教の伝来がそうです。その影響ははかり難いものがあります。次はキリシタン伝来の時代です。安土桃山時代の文化は、それまでの文化に新しいものを加えました。明治開国以来の西欧文化との折衝は、これも従来の文化に新しい変容をもたらしました。
第二次世界戦争後は文化の国際的交流によって、様々な変容がなされています。こういう点において、われわれ日本人は実に柔軟に異質的なものをも同化させてしまって、新しいものを生み出して行くのに優れていることを思わざるを得ません。
しかし、今日では、キリスト教がもたらした社会文化的なものは、それぞれ固有の分野や領域においてその分野独自の成長発展を遂げ(音楽、教育、社会福祉面など)、したがって、ある意味ではキリスト教の信仰そのものが持っているものは何か、が問われるようになって来ているように思います。
キリスト教が生み出した文化も、もとはと言えば各地の教会がその置かれた土壌に古来からあったものを、いわば換骨奪胎という仕方で自分のものにした結果であるものが少なくありません。例えば12月25日をクリスマスに定めたのも、もとはと言えば、ローマで行われていた異教の農事の祭りの時を取り入れたからでありますし、クリスマスツリーもヨーロッパで行なわれていた冬至祭りの風習を採用したものです。サンタクロースにしても、伝説的な人物の子供への愛が象徴化したものです。
日本で行われた最初のクリスマスには袴を着たサンタクロースがミカンを配ったと言いますが、それは定着しませんでした。いずれにしても、キリスト教が生み出した文化や社会活動は、それを受け入れられる精神的土壌があったからではないかと思います。
篠田 潔
(日本基督教団隠退教師・元中部日本放送「キリストへの時間」協力委員・ラジオ説教者)
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」