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B スペインへの途次、ローマを訪れたいとするパウロの希望
・・・15:22~33・・・
「イスパニヤに赴く場合、あなたがたの所に行くことを」(15:22~33)。
「パウロがスペインを訪れるという目的を達成したかどうかはよくわからない。新約の中にも初代教父文書の中にも、歴史的な記録は何もない。しかし、これらの教父たちがパウロのスペイン訪問を当然のこととしていると思われる節が多分にある。カイザリヤでの長期にわたる投獄と捕らえられてローマに送られることになったエルサレムでの出来事によって、恐らく彼の宣教計画全体が狂わされたと考えられる(ホッジ)。
ローマのクレメントは92年頃イタリヤから手紙を書いて、パウロが西の果てまで到達したと述べている。スペインはローマ世界の西の果てであった。旧約に語られているタルシシと言うのは多分スペインの南部の一部であったと思われる。
ローマは紀元前200年頃から、スペインを支配していた。そしてパウロの時代には、南スペインの文明文化は徹底的にローマ化され、ほとんど1世紀の間そうであった。
「その途中あなたがたに会い、まず幾分でもわたしの願いがあなたがたによって満たされたら、あなたがたに送られてそこへ行くことを、望んでいるのである」(15:24)。
パウロの意図は、第一にローマ帝国の首都であったローマを訪ね、ローマの教会との交わりを喜ぶことであり、第二にはローマの教会の人々の助けを受けて、そこでスペインへの旅の最終的な準備をすることであった。「送られて」と言う表現は単なる見送りのみを意味するのではなく、ある程度の旅の準備を整えることを意味している。(参照:15:3、Ⅰコリント16:6、Ⅱコリント1:16)。
J・G・ヴォス著、
玉木 鎮訳(日本キリスト改革派教会引退教師)
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」