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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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十戒と主の祈り      

鈴木英昭著

        (元日本キリスト改革派名古屋教会牧師)

 

=むさぼり=

 

第十戒④・宣伝や宝くじ

       エペソ5:1~5

 

 今回は第十戒の「むさぼり」に対する戒めとして、宣伝とか宝くじのような具体的なことを、ドウマ教授の指摘を参考にして考えることにします。

 宣伝は、古くからあって、中世教会のステンドグラスの中には、教会は支援者たちから資金を出させるために、彼らの信仰の告白を残すために作らせたものもあったようです。

 現代の宣伝では、多様化するとともに、今ではテレビのコマーシャルのように、技術的にも高度なものが製作されるようになりました。心理的に研究され、効果のある技法が用いられ、消費者の購買意欲をそそるのにしのぎを削っています。しかし、宣伝にはその業界の倫理規制があって、誇大広告であったり、誤解を与えることや、浪費をもたらすようになるものに対しては、自粛されています。

 良い製品を作り出した人がその製品を宣伝するのを、だれも妨げてはなりません。その反対に、自分の欲に負けて、必要でもない物を買わせるような宣伝には、自分の誘惑を治める努力が必要です。

 

 他方、国がスポンサーになって販売する宝くじ、スポーツくじ、東京都が計画しているカジノというようなものを、どのように考えるべきでしょう。運が良ければ大金が手に入るという性質のものです。それらは、自分がする将棋やチェスのようなゲームにかけるようなこととは違って、自分と関係のないゲームを利用して、高額な金額を儲けるというようなものは、この第十戒に反する貪欲の罪と言えます。

 オランダでは、スポンサーが出す賞金を目当てにクイズに参加し、失格者が増えることで、賞金も増え最後に優勝者がいないと、そのお金は義援金として施設に寄付されるという番組があるようです。

 しかし、反対に挑戦者が最高額の賞金を獲得すると、最終的にはスポンサーの手元には一銭も残らないことも起こるそうです。こういうものも一種のギャンブルです。また、商店のお客を獲得するためにくじをだすことがあります。程度の問題でしょうが商品を売るのが目的でなく、明らかにお客の欲望をそそるためのものは、王道ではありません。長い目で見れば、商店は出来る限り良品を、合理的な価格で継続的に販売することで、顧客の信頼を得ることを目指すべきです。

 所有は罪ではありませんが、所有欲は罪です。このエペソ5章5節に、使徒は「貪欲な者、つまり、偶像礼拝者は、キリストと神の国を受け継ぐことはできない」と言います。偶像礼拝者の礼拝が「貪欲」であるのは、神の国、すなわち、神の御支配を信じ、満足することがないというところから来ています。「偶像礼拝の原因は、神の支配に満足しない欲望」から生じることを、使徒パウロは指摘しています。

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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