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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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十戒と主の祈り      

鈴木英昭著

        (元日本キリスト改革派名古屋教会牧師)

主の祈り(文語)

天にまします我らの父よ

願わくは

み名をあがめさせたまえ

み国を来たらせたまえ

み心の天に成る如く地にもなさせたまえ

我らの日用の糧を今日も与えたまえ

我らに罪を犯す者を我らが赦す如く我らの罪をも赦したまえ

我らを試みに遭わせず悪より救い出したまえ

国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり

アーメン

 

=祈りについて=

祈りについて②・聞かれない祈り

       マタイ6・5~7、ルカ1q8:9~15

 施しをするとき、人からの報いではなく、神からの報いを信じることが大切であるように、祈りが神に聞かれることを信じるのにも、信仰が必要です。祈りを聞いている周囲の「人からの報い」を期待する祈りは、聞かれない祈りであると、主は5節でおっしゃっていました。

 そして主は、人に聞かれることを願う祈りとして、二つの実例を挙げられました。その一つは偽善者の祈りであり、もう一つは異邦人の祈りです。

 偽善者の祈りの特徴は、「人に見てもらおうと、会堂や大通りの角に立って祈りたがる」という言葉に見られます様に人の評価を期待する祈りです。人に向かって語る祈りとも言えます。会堂で祈る祈りが、皆、人に向かう祈りというわけではもちろんなく、どのような時の祈りでも、人からの賞賛を期待する祈りや、人に聞いてもらって、立派な祈りだというように思われることを期待した祈りは、神に聞かれないと主は言われました。例えば、読んでいただきましたルカによる福音書18章10節以下で、主はファリサイ派の人と徴税人の祈りについて対比して話されました。

 ファリサイ派の祈りは、神殿の境内で周囲の人々に聞こえる祈りです。しかも、よく見ると、その語っている内容は自慢話であって、人に聞いてもらうための言葉であるか、自分に向かって語っているような祈りです。そこには神様がおられないかのようです。主は祈りが人に聞かれてはならないと言われているわけではありません。

主ご自身、あの大祭司の祈りをなさったとき、弟子たちが聞いている中で長い祈りをされました。私たちも祈祷会で祈るとき、お互いがその祈りを聞きます。その祈りを聞きながら、祈る人と一緒に祈ります。結果的に周囲の人々に聞こえますが、周囲の人々に向かって祈るわけではありません。天の父に向って祈ります。 

 他方、徴税人は遠くに立って顔を伏せて、「神様、罪人のわたしを憐れんでください」と祈りました。独り言ではなく、彼は自分の罪を悲しみ、憐れみを信じて願い求めました。罪の赦しさえも求めていませんが、神がその祈りを聞かれ、赦しの平安を与えて下さったので、神に「義とされて家に帰った」と主は言われました。

 主が聞かれない祈りのもう一つの例として挙げられたのが、異邦人の祈りです。その特徴は自分の功績に関心があり、「言葉数が多ければ、聞き入れられると思い込んでいる」祈りです。数年前、韓国の高神派の総会議長のお宅に3日ほど泊めていただいた時、早天祈祷会に出席しました。4時半~7時くらいでしたが、20分くらいの奨励があり、その後は各自がそれぞれ自由に祈り、6時半ころまで祈って帰っていく人々が多く、その後も祈っている人もいました。そこには「言葉数が多い祈り」と言う誘惑があります。しかし、三々五々静かに家路につくことで、神と共にその日の歩みが始まったという思いを与えられました。矢張り神中心なのです。

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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