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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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十戒と主の祈り      

鈴木英昭著

        (元日本キリスト改革派名古屋教会牧師)

主の祈り(文語)

天にまします我らの父よ

願わくはみ名をあがめさせたまえ

み国を来たらせたまえ

み心の天に成る如く地にもなさせたまえ

我らの日用の糧を今日も与えたまえ

我らに罪を犯す者を我らが赦す如く我らの罪をも赦したまえ

我らを試みに遭わせず悪より救い出したまえ

国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり

アーメン

 

=祈りについて=

祈りについて③・願う前からご存知

       マタイ6・8、32~34

 主は、主の祈りをお教えになる前に、弟子たちにこう言われました。「あなたがたの父は願う前から、あなたがたに必要なものをご存知なのだ」(マタイ6:8)と。

 この言葉の意味を心に留めておくことで、私たちは祈ることの喜びと熱心へと励まされます。しかし、「天の父が私たちの願いを、祈る以前からご存知であるなら、祈る必要があるのだろうか」というように思う人がいるかもしれません。そうであれば、祈りへの姿勢は消極的になります。

 さらに「どんなに祈っても、どのようになるかは祈る前から決まっているのであるなら、祈る必要がないのではないか」というようにさえなるもしれません。

 しかし、主は祈りの内容を教えてくださる前に、このようにおっしゃったということは、父は既に私たちの願いをご存知なのだから、熱心に祈る必要はないというような消極的な意味でおっしゃったはずでは決してありません。むしろ祈りの励ましのために言われたはずです。それでは、このように言われたことの意味は何なのでしょう。

 

 それは、ヘルムート・テイーリッケという牧師が、その著書「主の祈り」の中で語っていますように、父なる神は、私たちが願う以前から、私たちの願いを私たち自身が知っている以上によく知っていて下さるという事実です。私たちが自分のために願い、他の人のために祈る時、その願いよりも、それ以上に必要なことを父なる神は知っておられ、それに基づいて答えて下さることがあるということです。

 例えば、使徒パウロとシラスは、第二回伝道旅行のなかで、リストラからテモテも加えて、ビティニア州に入ろうと願ったが入れないでトロアスに下り、そこからマケドニアへ渡って行くことになりました(使徒16:10)。それがヨーロッパ伝道、つまり世界伝道への突破口となりました。

 パウロは小アジアの伝道を願っていましたが、天の父のご計画は違っていたのです。私たちはよく検診によって、自分の知らなかった病が明らかになります。医者はその検診の結果と、私たちへの問診によって、どういう問題や病があるかを明らかにしれくれます。それは、医者の方が私たちのことを、私たちよりもよく知っているために出来ることです。神もそうです。

 私たちは無意識のうちに自分が自分の事を一番よく知っていると思っています。そのため、祈ったとおりにならないと、祈りが聞かれなかったと思ってしまいます。しかし、御父の答えは私たちの願いのようにならないことがあっても奇異に感じる必要はありません。御父の方が私たちのことを良く知っていて下さるからです。その御父の御心をよりよく知るために聖書があり、聖書を理解するのに聖霊のとりなしの助けを受けていることは非常に幸いなことです(ローマ8:26)。

 

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
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東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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