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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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十戒と主の祈り      

鈴木英昭著

        (元日本キリスト改革派名古屋教会牧師)

主の祈り(文語)
天にまします我らの父よ
願わくは
み名をあがめさせたまえ
み国を来たらせたまえ
み心の天に成る如く地にもなさせたまえ
我らの日用の糧を今日も与えたまえ
我らに罪を犯す者を我らが赦す如く我らの罪をも赦したまえ
我らを試みに遭わせず悪より救い出したまえ
国と力と栄えとは限りなく汝のものなればなり
アーメン

 

=御国=

第二の祈り④・再臨

       ルカ18・1~8

 「御国を来たらせたまえ」と祈る神の国は、「すでに」到来しているという面と、「まだ」到来しない面の 両面があることが教えられています。すでに学びましたように、主イエス・キリストが来られ、特にその十字架と復活により、悪魔の支配に決定的な打撃をお加えになりました。しかし、神の国は目に見えるように完成していないことも事実です。悪魔はなお抵抗し続けていますし、この世の悪は幅を利かせています。神の国も完成はなお将来にその実現を待たなければならないことを聖書は教えています。御国がすでに完全に来ているのであれば、主イエスは弟子たちに、「御国を来たらせたまえ」と祈るように教えることはなさらなかったはずです。

 ですから逆に言えば、主がこのように祈ることをお命じになったのは、御国が完全に到来することを約束してくださった証拠でもあります。読んでいただきました「不正な裁判官の譬え」から、神の国の性質を学んでおきましょう。

 

 この譬えは、「気を落とさずにたえず祈らなければならないことを教えるために」(1)、主イエスが弟子たちにお教えになったのですから、神の国の完成を願う譬えとして、「裁判官は、暫くの間は取り合おうとしなかった」(同4)ということは、実現に時間がかかるという意味です。私たちの目から見れば、「しばらくの間」はごく短い期間のように思えますが、神の目から見れば、「一日は千年」のように短いとしても、それは私たちには非常に長い期間にわたって待つことを暗示しています。

 他方、主は、最後の8節で、「人の子がくるとき」と言われて、裁判官が裁判をする時は、世の終わりの時、すなわち、主イエスの再臨による最後の審判のことであり、しかも、この裁きは、主御自身の目から見れば、「神は速やかに裁いてくださる」(8)ことなのです。わたしたちには「しばらくの間」と言う時間を要することでありながら、主イエスご自身の視野の中では、この「しばらくの間」と「速やかに」という二つが同時に事実であるということです。

 私たちには、「しばらくの間」を要するということは、遠い先のように受け取られます。そうなると、再臨に対して無関心になります。その反対に「速やかに」再臨があるとなると、今にも実現するかのような期待をもって、再臨運動をしたりすれば、今の生活に身が入らなくなります。Ⅱテサロニケの信徒への手紙2章2節のように、既に再臨はあったものとしてみたり、3章11節のように、「怠惰な生活をし、少しも働かない」という誤りにも陥る可能性があります。

これらのいずれでもなく、神の国がすでに到来し、主によって、その支配が明らかになっていることに励まされ、現在の使命に生き、そして同時に、やがて確実に到来する再臨によって、神の国は完成することを大事にして、「御国を来たらせたまえ」と祈り続けます。

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書籍紹介
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エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
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東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
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電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
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東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
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東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
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「緑のまきば」
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「あとがき」より
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エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
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おすすめ本

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ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
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