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聖霊とその働き
エドウィン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
(元日本キリスト改革派名古屋教会牧師)
第1章 聖霊と三位一体
Ⅳ 聖霊は父と子から出る***2***
しかし、御霊は父と子から出、彼らによって息を吹き込まれるけれども、完全な神である。彼が父と子から出るからといって、父と子に劣るわけではない。それは子の場合も、彼が父から生まれるからといって、父と同等ではないというのと同じことである。御霊は「永遠の昔に」息を吹き込まれたという事実に重要な点がある。
それは子が「永遠の昔に」父から生まれたというのと同じである。御霊が息を吹き込まれていない時は一度もなかった。彼は永遠から父と子とともに存在していた。かれが父と子から出たとか、父と子によって吹きだされたという言い方は、彼が神に劣るということではなく、三位一体の他の位格との間に、永遠から持っている関係を示唆しているに過ぎない。
御霊は父からだけ出ているのではなく、父と子の両者から出ている点も注意しなければならない。彼が父から出ていることは、ヨハネ福音書15章26節から明らかであるが、子からも出ている。それほど明瞭ではない。しかし、イエスが御霊を世につかわすと語っている個所や、弟子たちに向かって、息を吹き付ける個所から推論される(ヨハネ15:16,16:7,20:22)というのは、たまたま一度のことであっても、それが永遠の息吹を暗示するからである。三位一体の関係の中で、子が所有している権威を反映しているからである。さらに、御霊は「父の御霊」と呼ばれるだけでなく、「御子の御霊」(ガラテヤ4:6)、「キリストの御霊」(ローマ8:9)、「イエス・キリストの御霊」(ピリピ1:10)と呼ばれている。
御霊の持っている他の二つの位格に対するこの関係が、三位一体の第一あるいは、あるいは第二の位格でなく第三位格であるとされる理由を説明してくれる。父は子を生むので、第一であり、子は父から生まれれるので第二であり、聖霊は父と子から出るので第三の位格である。
三位一体の同じ順序が歴史においても現れている。はじめの二つの位格が順に歴史の前面に押し出されたのちに、初めて聖霊が著しい働きをする。創造からキリストの時まで、世界でより顕著な働きをしたのは父であり、創造において中心的な栄光を受け、旧約聖書のイスラエルがおもに関係があったのは父であった。キリストが来ると、父はそれほど目立った立場にはなく、聖霊もまた十分にその働きを現わしておらず、キリストがより大きな役割を果たした。
しかし受肉の後、キリストは天に昇り、三位一体の第三位格が他に比べて多く登場する。三つの位格にはこうした明確な秩序があったため、それは歴史にも現れる。このように三位一体がみられるのと同じ秩序で、各位格が歴史に登場する。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」