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『その愛のゆえに』
=時々の記=
(205)
2月14日
朝の寒かったこと。冴え返るという言葉がぴったりでしたね。空を見ると小雪が舞っているではありませんか。せっかく花を咲かせた梅たちが震えあがっています。思いきって耳鼻咽喉科へ行ってきました。そこで、ばったりと教会の求道の信仰の友と出会いました。私とどこかで話をしたかったようでしたが、申し訳ないのだけれどと言って待合室の中でだけの話となりました。8か月も入院されていたというのです。とても元気になっていました。でも手が震えておられるし、よだれがマスクの下から落ちてきているのです。薬の副作用ではないかなと察したので、先生に、お薬を減らしてもらうか変えてもらったほうがよいのではと伝えました。どこも悪くないのにどうしてそんなに長く入院されたのかも不思議です。教会へは行っていないというのです。どうして尋ねると、教会に来る人は皆さんお金持ちなので行きたくないと言いました。何かを感じ取っておられるのでしょうから。あまり突き詰めてのお話はしませんでした。また行けるときに礼拝に行こうねとだけ伝えました。
少年期遊びし小川猫柳。
金色の目だって来る竹の秋。
夕焼けの後や厳しく冴え返る。
鳥の巣を求む望遠カメラとも。
東へ広ごる窪の梅早し。 馬場路哉
2月17日
今は久しぶりにお日様が出て暖かさを感じます。200メートルほど離れたお家の庭に紅梅が咲き始めていました。よそのお家のお花ですが、なんだかうれしくなりました。
春立つや朝の祈りを読みにける。
志あり忍耐強く老いの春。
煌めきて傾く夕日春立ちぬ。
東へ広ごる窪の梅早し
鳥の巣を求む望遠カメラとも。 馬場路哉
2月25日
こちらは今は雨が止んでお日様が射しています。春の陽射しを感じています。うれしいことですね。春を迎えられるというのは・・・・。
シューマンの曲穏やかに春立ちぬ。
角張れる岩白々と春の川。
椿の葉、白樫の葉も風光る。
梅の花過疎なる村に咲き誇る。
春立つや白鷺谷の川に沿ふ。 馬場路哉
春は人生の節目でもありますから、悲喜こもごもの日々をおくっておられることでしょう。それを乗り越えて新しい次のステップへと進んでいくのですね
2月27日
今日は春の陽射しがいっぱいです。昨日とは打って変わって温かい一日となっています。寒い冬を忍耐して過ごしたからこそ、この日を迎えることができるのですね。
向き合へる日の傾きて谷朧(おぼろ)
公園の散歩道外れ青き踏む。
鹿二頭眠る山より現れぬ
枯れわらの絡まり切られ固められ。
万太郎励ましにける荷風の忌。
死に勝てる信仰を謝す受難週。
先達と召天されぬ睦月かな。
つかの間の緩和ケア経てイースター。
苦労と工夫重ねし生やイースター。
隣人への愛に満つ生イースター。 馬場路哉
3月6日
今日の最高気温は18度とか4月並みの気候です。一気に暖かくなってきたのでセーターを一枚減らしました。つい先ほど、中学校の時の友から電話が入りました。その友も高校時代も教会の礼拝に出ておりました。そのようなことで今だに関係が続いています。礼拝後には青年会で、ビラ配りのために残っていたものです。
鎮魂の響きのありぬ春の雨。
隣人への愛に努めむイースター。
信仰と愛を捨てまじイースター。
見上ぐれば青空を背に梅の花。
大形の魚浮かぶや水温む。 馬場路哉
3月7日
鶯の鳴き声も日ごとに滑らかになってきました。静かな山あいに鶯が声を響かせてくれるだけでほっこり慰められます。庭の八重の椿が今年もたくさんの蕾を付けてその咲き誇る時期を楽しませてもらっています。その重みで枝が倒れ掛かっているように見えます。それでもしなやかにじっと耐え抜いてピンクと白のグラデーションの椿の花を間近に見せてくれるのを楽しみにしています。小さな我が家の庭ではスナップエンドウを今年初めて作ろうかとチャレンジしています。まだまだ朝が寒いので沿道の苗の周りには黄色いゴミ袋をかぶせて霜にやられないように注意しています。それを見てご近所の方たちは、クスッと笑っていきます。よほど、下手な野菜作りなのでしょうね。失敗しても一度やってみることが大切ですから。失敗を恐れては何もできませんからね。
早天に只菅祈る受難週。
イースター死んでも生くる教えとは。
白梅に黒き古木の落ち着きぬ。
はんなりと山に広ごる春入日。
花の数バランスとれて山椿。
3月8日
これで3日連続お隣の方がお話をしに来てくれます。私は聞き役に徹しています。それがうれしいのでしょうね。ずいぶん明るくなってきました。ちょっとしたことで、人は気分がよくなったり、逆に悪くなったりするものですね。
日向ぼこ力を得たる厨事。(主人は決まって午後2時過ぎから夕食の準備を手伝ってくれます)
竹切って野菜の苗の枝作る、
蝋梅や予後順調を願いける。
淡雪や玉つげ羊如なれる。 馬場路哉
昨日は眼科、今日は歯科と連日病院通いです。白内障の手術の時期を決めかねています。歯科のほうはまだまだかなり時間がかかりそうです。何とか自分の歯を土台にしてつぎ足しての義歯になりそうです。
馬場暁美
上野緑ケ丘教会会員
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」