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世田谷通信(235)
猫草
生き物の名前には、不思議なものがある。トゲアリトゲナシトゲトゲという羽虫がいるそうだ。体全体に棘のあるトゲハムシの仲間。ところがこの個体は本来の特徴であるはずの棘が一部分にしかない。なので、上記のような名前になったという。
スベスベケブカガニという蟹もいて、体に毛の生えているケブカガニの仲間だが、毛が無いのでスベスベ。要するに、最初に名前を付けたとき、見た目重視で、棘があるから「トゲ」、毛があるから「ケブカ」、しばらくはそれで順当に分類できていたのが、生き物のバリエーションが名前を凌駕した例である。
途中で分類が変わったり、名前が変わるのもしばしば。ええと、この草は、この虫はなんだっけとフィールドで迷うことも多い。
そんな個別の話どころか、生物の分類自体が大きく変わっていて、昔は動物界、植物界、菌界・・と言っていたのが、遺伝情報に基づいた分類、3ドメイン説になってから30年以上も経過するそうで。学生時代を過ぎたら生物の教科書なんて開く機会がないし、と言い訳しても不勉強の一言に尽きる。
それもまた、やがて新しい知識体系に整備され、こちらの分類が妥当、とアップデートされていくのだろう。浦島太郎はこんな気持ちか。
里山農園で葉物の種まきをした時に、レタスといっても「グリーンカール」「ロメインレタス」「チシャ」など何種類かあって、「覚えられないわ」と種のそばに細く竹を削った10cmほどの名札を立てた。育った時「これは何?」と混乱しないようにとの配慮だったが、収穫時期になって思わぬ事態になった。名札を差した場所のレタスだけ明らかに育ちが悪いのだ。名札のない場所の葉っぱは大きく、背丈も葉の拡がりも全然違う。名札の陰が日照時間の差を生み、その積み重ねが結果として成長に大きな差をつけてしまった。「ごめんね、この野菜には名前なんてどうでもよかったのに。北側に札を差せば日が遮られなかったのに。」そんな後悔とお詫びを言いながら収穫した。名前や分類は役に立つし大事だが、それはヒトにとって、という条件がつく。
<いきいき里山・山里ものがたり>
裏山からは若い鶯が独唱(ひとりなき)を始めていましたので、当分、辛抱して聞いてあげることにしています。上手になったね・・・までは、まだまだの程度で下手ですが、これも若さですね。健気に啼いています。春の芽吹きを裏山の木々の枝えだに見ることができますので、朝の目覚めが楽しみになりました。さあ~、今日も一日頑張ります!と言い聞かせています。高山の今です。 岐阜県 K・Oさんからのお便りです。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
いのちのことば社
スーザン・ハント
「緑のまきば」
「聖霊とその働き」