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2023年7月号  №193 号 通巻877号
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 自閉症者のひとりごと (5)
 
6月2日
 わたしは10代の頃より、腰痛に悩まされている。それでペインクリニックに通っている。暫らくの間、我慢が出来たので、通っていなかったが、限界が来たので行ってきた。硬膜外麻酔を行うので、安静時間が必要になる。痛みも一時的とはいえ取れたし、眠ってもよいのであるが、今日はそういうわけにはいかなかった。出掛ける前に、またしても呑んでいたのだ。自転車で行くことでもあり、自分では控えめにしたつもりだが、わたしは呑んで寝ると起きられなくなってしまう。ベットの上で眠らないように、眠らないようにと思いながら横になっていた。何とか時間をやり過ごすことが出来、無事に帰ることが出来た。我ながら愚かしいことだと思う。本当に何とかしたい!
 
6月3日
 今日も洗濯をしながら、アルコールを呑んでいた。辛かったけど、この間、修理に出した家電を受け取りに行かねばならなかったのと、お世話になったお店に菓子折りを買って来ることになっていたので、仕方なく外出することになる。それらの用事を済ませた帰り道、またもやアルコールを買ってしまった。主人が腹痛で横になっているのを尻目にまた呑んでしまった。
 最低限の家事をして、昼間から後は呑んで寝るという日が続いている。こんなことで好いわけがない。いろいろ思い煩うことはあるが、そんなことは忘れようとは思わない(思い煩って呑んでいるわけではない)。
 78130d81.GIF一体、何が原因なのかが分からない。そういったことが分からないのも、アスペルガー症候群の症状の一つでもあるらしい。
 障害者職業センターも、ひきこもりのNPOにも見学に行ったが、自分の条件に合う所は無かった。今は、何をしたら良いのかが分からない。一日中、酒びたりの生活、頭も体もコントロールが出来なくなってしまった。助けて、助けて、助けて!
 
6月7日
 今日は主人の休みの日だ。わたしも何もしないでゆっくりしている。そして休肝日だ。辛いなあ。
 受難週の時、特別に何をするあけではないが、バッハの「ヨハネ受難曲」をかけてみた。イエスとその弟子、群衆と支配者階級と福音史家、そして聴衆(つまりわたし)との絡みが醍醐味だ。大作「マタイ受難曲」も同様だ。わたしに問い掛けてくるのだ。お前は本当に悔い改めているのか、口先だけでわたしは罪人ですと言っているだけではないかと。
 アルコールが呑みたい。呑みたい。でも主人がいる。一緒に呑むという気持ちにはならない。
 
6月12日
 情けない! 悲しい! 礼拝に行く前に、アルコールを呑んでしまったのである。こんなわたしに、礼拝に与かる資格があるのだろうか。空きっ腹に呑んだせいか、体の変調を覚えつつ、教会へ出掛けた。わたしは一体どうしたらいいのか。恥ずかしいやら、情けないやら、心がはち切れそうだ……。こんなこともあった。うれしくてたまらない! 今週の日曜日、主人から「聖書を読まない」と。わたしは酔っ払っていたがうれしかった。そこで主人が聖書を朗読した。
 昨日も聖書を読んだ。うれしくて、うれしくて、御言葉の中身まで理解できなかったが、神様、ありがとうございます。
 にも拘らず、ビールを飲みながら、これを書いている。 食前礼拝は、黙祷になりかけると、あわててわたしが短くお祈りする。。
 
6月25日
 アル中専門病院に来ている。レクチャーでアル中は体質であり、意志の力とは関係ないとのこと。少しだがほっとした。完治しないから、一生酒との戦いだ。待合室には結構な人だ。それだけ依存症の人が多く存在しており、苦しんでいることを知った。デイケアに通うようにしているので、抗酒剤を飲んでいる。デイケアのプログラムの中に、いろいろ書き出す設問があった。例えば、「あなたは自助グループに参加したことがありますか」など。つくずくアスペルガー症候群だなあと思った。想像力の欠如に加えて設問に対して辞書のような答え方である。話す時には少しだけ話を膨らませようとするがふにゃふにゃ。通う理由は少なくとも通っている間はアルコールに手が伸びずに済むからである。
こんなことがあった。主人が「俺だって休みたいほどしんどいのに、ビール飲みたいのに、我慢しているのに一人で飲まないで…」と言われた。グサッときてしまった。
                                 加納さおり
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書籍紹介
    8858e3b6.jpg
エネルギー技術の
 社会意思決定

日本評論社
ISBN978-4-535-55538-9
 定価(本体5200+税)
=推薦の言葉=
森田 朗
東京大学公共政策大学院長、法学政治学研究科・法学部教授

本書は、科学技術と公共政策という新しい研究分野を目指す人たちにまずお薦めしたい。豊富な事例研究は大変読み応えがあり、またそれぞれの事例が個性豊かに分析されている点も興味深い。一方で、学術的な分析枠組みもしっかりしており、著者たちの熱意がよみとれる。エネルギー技術という公共性の高い技術をめぐる社会意思決定は、本書の言うように、公共政策にとっても大きなチャレンジである。現実に、公共政策の意思決定に携わる政府や地方自治体のかたがたにも是非一読をお薦めしたい。」
 共著者・編者
鈴木達治郎
電力中央研究所社会経済研究所研究参事。東京大学公共政策大学院客員教授
城山英明
東京大学大学院法学政治学研究科教授
松本三和夫
東京大学大学院人文社会系研究科教授
青木一益
富山大学経済学部経営法学科准教授
上野貴弘
電力中央研究所社会経済研究所研究員
木村 宰
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
寿楽浩太
東京大学大学院学際情報学府博士課程
白取耕一郎
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程
西出拓生
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程
馬場健司
電力中央研究所社会経済研究所主任研究員
本藤祐樹
横浜国立大学大学院環境情報研究院准教授
おすすめ本

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教会における女性のリーダーシップ
スーザン・ハント
ペギー・ハチソン 共著
発行所 つのぶえ社
発 売 つのぶえ社
いのちのことば社
SBN4-264-01910-9 COO16
定価(本体1300円+税)
本書は、クリスチャンの女性が、教会において担うべき任務のために、自分たちの能力をどう自己理解し、焦点を合わせるべきかということについて記したものです。また、本書は、男性の指導的地位を正当化することや教会内の権威に関係する職務に女性を任職する問題について述べたものではありません。むしろわたしたちは、男性の指導的地位が受け入れられている教会のなかで、女性はどのような機能を果たすかという問題を創造的に検討したいと願っています。また、リーダーは後継者―つまりグループのゴールを分かち合える人々―を生み出すことが出来るかどうかによって、その成否が決まります。そういう意味で、リーダーとは助け手です。
スーザン・ハント 
おすすめ本
「つのぶえ社出版の本の紹介」
217ff6fb.jpg 








「緑のまきば」
吉岡 繁著
(元神戸改革派神学校校長)
「あとがき」より
…。学徒出陣、友人の死、…。それが私のその後の人生の出発点であり、常に立ち帰るべき原点ということでしょう。…。生涯求道者と自称しています。ここで取り上げた問題の多くは、家での対話から生まれたものです。家では勿論日常茶飯事からいろいろのレベルの会話がありますが夫婦が最も熱くなって論じ合う会話の一端がここに反映されています。
定価 2000円 

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「聖霊とその働き」
エドウイン・H・パーマー著
鈴木英昭訳
「著者のことば」より
…。近年になって、御霊の働きについて短時間で学ぶ傾向が一層強まっている。しかしその学びもおもに、クリスチャン生活における御霊の働きを分析するということに向けられている。つまり、再生と聖化に向けられていて、他の面における御霊の広範囲な働きが無視されている。本書はクリスチャン生活以外の面の聖霊について新しい聖書研究が必要なこと、こうした理由から書かれている。
定価 1500円
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「十戒と主の祈り」
鈴木英昭著
 「著者のことば」
…。神の言葉としての聖書の真理は、永遠に変わりませんが、変わり続ける複雑な時代の問題に対して聖書を適用するためには、聖書そのものの理解とともに、生活にかかわる問題として捉えてはじめて、それが可能になります。それを一冊にまとめてみました。
定価 1800円
おすすめ本
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われらの教会と伝道
C.ジョン・ミラー著
鈴木英昭訳
キリスト者なら、誰もが伝道の大切さを知っている。しかし、実際は、その困難さに打ち負かされてしまっている。著者は改めて伝道の喜びを取り戻すために、私たちの内的欠陥を取り除き、具体的な対応策を信仰の成長と共に考えさせてくれます。個人で、グループのテキストにしてみませんか。
定価 1000円
おすすめ本

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さんびか物語
ポーリン・マカルピン著
著者の言葉
讃美歌はクリスチャンにとって、1つの大きな宝物といえます。教会で神様を礼拝する時にも、家庭礼拝の時にも、友との親しい交わりの時にも、そして、悲しい時、うれしい時などに讃美歌が歌える特権は、本当に素晴しいことでございます。しかし、讃美歌の本当のメッセージを知るためには、主イエス・キリストと父なる神様への信仰、み霊なる神様への信頼が必要であります。また、作曲者の願い、讃美歌の歌詞の背景にあるもの、その土台である神様のみ言葉の聖書に触れ、教えられることも大切であります。ここには皆様が広く愛唱されている50曲を選びました。
定価 3000円

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